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承継の成功はいつ始まるのか

承継の失敗はいつ始まるのか

成功する承継、失敗する承継はいつから始まっているのでしょうか。経営者の年齢が60歳だと仮に考えると、息子の年齢は30歳前後くらい。このくらいには考え始めないともう遅いのではないかと思います。

なぜ、うまくいく承継とうまくいかない承継があるのでしょうか。偶然うまくいくケースもあるのかもしれませんが、あまりうまくいかないケースもとても多いように思えます。なぜうまくいったのかは、分からないことが多いと思いますが、なぜうまくいかなかったのかは、分かることが多いように思います。理由はそれぞれあると思いますが、期日を決めていなかったら、そもそも準備をしていなかったから、何をするのかまったく何も考えていなかったからなど、そもそも論があるはずです。

ある日突然、自分のやる気と向き合って、来年譲るからみたいなことを決めている。とても乱暴な決め方ですね。もうそろそろかな・・・・と思い始めて半年、1年で承継する。それが承継の失敗と成功をわける要因でもあるように思います。計画的に承継する。しっかりと走り切った後のバトンを丁寧に渡す。渡したバトンを落とさないようにさせる。そこまで考えるのが継がせる側の役割でもあると思います。

それでは、どうすればバトンを落とさず承継できるのか、準備や計画、期間とは何なのかなどを次回より考えていきたいと思います。このマガジンでは承継における事例もいくつかとりあげていきます。他人のふり見て我がふり直せ的にみていただけるとよいかと思います。

【事例1】破綻寸前の親子関係

父親62歳、息子34歳の売買仲介中心の会社です。事務と営業を兼務している20代の男性と、経理と事務を行っている50歳の女性がパートで勤務しています。専門学校を卒業したのちに不動産とは関係ない業界で働いてきた息子は5年前に父親の経営する不動産会社に戻ってきました。15坪ほどの小さな店舗に4人で仲介業を行っています。売買仲介が中心とはいえ、街の小さな不動産会社なので、賃貸やちょっとした管理も相談がくるので、断らずに何でもやるような不動産会社になってしまっています。そして、商店経営のような経営になっており、なんら計画性のある売上があるわけではないので、収益を稼ぐために小さな開発も社長がやっています。

無口で職人気質の社長は、特に息子に何かを教えるわけではないので、息子は息子で、外部の研修や無料のセミナーに出かけたり本を読んだりして、自分なりにはいろいろと勉強をしているようです。ただ問題は、せっかく勉強したことを会社で取り上げたいと思っても、父親である社長はまったく聞く耳も持たず、息子のやることに賛成をしてくれません。

息子自身は、この会社を継ぐつもりで入社したのですが、会社をもっとよくしたいと思って勉強しても、社長は一緒に考えてくれるわけもなく、日々、自分の仕事である開発やら買取やらの仕事に集中しています。息子に不満があると言っても、息子とはいえただの一社員です。会社の経営を自分でどうこうすることもできません。

やはり、このようなケースで問題になってくるのが、会話というコミュニケーションです。親子間であっても会社の経営についての会話なはい関係は決して少なくありません。しかも、だいたいこのような場合は、お互いがその問題に蓋をしてしまっています。お互いが薄々わかっているのですが。そして、社長の身に何かが起こらないと、承継の話なんかはまったく進むことはないでしょう。このような状態であれば、もう身近な誰かに間に入ってもらうことも考えなければならないのかもしれません。


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