正義と同情

国民の正義とは、なにか、それは『同情』を感じた時である、ゲッベルスは言っているように思われる。その『同情』は、自力で禁止と戦っている時に生まれる。正義などというものは、『同情』を得られないとき、いっさい正義としての昇天をしていないのかもしれない。こういうゲッベルスの正義論は、大衆を女性と見立てることによってのみ得られるものかもしれない。男をふくめた人々の中にある母性愛を刺激することが、大衆の正義感による同情と支持を得られるといっているのと同じである。

草森紳一「絶対の宣伝ナチス・プロパガンダ 宣伝的人間の研究 ゲッベルス」

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