祈り

祈りの行為は要求の行為とは反対に、それ自身の中に、すでにその祈願の成就としての答えを含んでいるのだと思いがちである。・・・・・・もっとも熱烈な魂による祈りとはいえ、いかなるばあいにも、それ自身のなかにその祈りの成就が含まれていると解することは不可能である。寧ろ反対にそれは、われわれにはその意図を推し量ることの不可能な、理解を絶したひとつの力からの神秘的意思に依存するものと考えられる。祈っている人は、その祈りに対する答えに関しては、自分自身全く分からないものであると考えているのである。(ガブリエル・マルセル「存在の神秘」)

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