見出し画像

「2021.10.23オーストラリア代表 vs日本代表」観戦レポート

国内で約2年振りの国際試合(テストマッチ)とあって、10月23日の大分の昭和電工ドームには17,000人ものお客さんが集まった。相手は強豪のオーストラリア。直近の試合では南アフリカに勝つなど勢いがある。一方、日本代表は6月以来の久しぶりの代表戦。どうなるのか不安もあった。

キックオフからオーストラリアのペースで始まる。アタックの方向をテンポよく変えながら小刻みに前進してくる。チャンスと見ると10番のクエード・クーパー選手がボールを一気に展開してくる。コントロールされたアタックシステムに加え、判断がよく、ボールを展開するスキルがある。良いチームだなと感じた。日本代表も簡単には崩されない。しつこくデフェンスしていた。なんとか守り切って、アタックに繋げたいと思っていたら、10番のクエード・クーパー選手が一瞬の隙をついて、オフロードパスを演出した。そのままパスを受けた選手がトライ。試合前から注目されていた役者は、いきなり見せ場を作った。チームのシステムが機能し充実しているときは、個々が局面を打開できる。オーストラリアの懐の深さを感じた。

その後もオーストラリアはフォワードの強みを活かして、攻めてくる。日本代表は、特にラインアウトやスクラムで苦しんだ。ラインアウトのモールから一気に展開されて再びトライ。14点差になる。
苦しい展開になるかなと思ったが、日本代表はここから息を吹き返した。ブレイクダウンと言われるボールの争奪場面において、相手チームのサポートが遅れた時に、ジャッカルを繰り返して、日本のペースを作っていった。オーストラリア陣の奥深くまで攻め込み、10番の松田力也選手が見事なキックパス。そのボールをキャッチしたレメキ選手が相手を一人かわしてトライ!!本当に美しいトライであった。会場は一気に盛り上がる。その後は一進一退の中で前半を終えた。
後半も楽しみ!!

フォワードが頑張ってセットプレーを確保し、デフェンスでは我慢して、どこかでボールを奪ったら一気に攻め込む・・という姿が見たいと思っていた。
ところが日本代表は、後半のスタートでペースを握れなかった。要所でオーストラリアがゲームを支配してくる。チームの規律も乱れてシンビン(イエローカード)も出てしまった。
テストマッチで強豪国に勝つためには、規律が乱れたり、誰かがサボったりすることがあってはならない。その小さな歪みが失点に繋がる。まさにそんな光景になってしまった。点差も広がっていく。日本代表、頑張ってくれ!!と願っていた。

点差が開き、ちょっと余裕が出たオーストラリアは良いアタックをしてくる。外側に、あそこにボールを運ばれたら嫌だなというスペースができていて、まさにそこへクエード・クーバー選手がパスをした。危ない!!と思っていたところで見事に中村亮土選手がインターセプトをして、そのままボールをインゴールまで運び、起死回生のトライ!!
中村選手はこれまでラインスピードを上げながらタックルをしていたが、今回はボールをそのまま奪った。バイスキャプテンが見事にプレーで局面を変えた。これで再び息を吹き返した日本代表。劣勢のスクラムで反則を奪い、ラインアウトを見事に確保して、相手にプレッシャーをかけて反則を誘う。素晴らしい流れになってきた。

そしていよいよ相手陣ゴール前のラインアウト。ここでトライを取れたら!!という場面でボールを確保したもののモールで良いアタックをできず相手ボールに。取りきれなかった。
その後も何度かチャンスはきた。もしかしたら、新たな歴史ができるのか?と期待していたが、オーストラリアの堅守を破れなかった。逆にオーストラリアにラストワンチャンスがやってきた。ゴール前のラインアウトから見事に強いモールを組み、そのままトライ。勝負が決まった。

 振り返ってみると日本はとても善戦していた。点差を見ても、遜色ない。それでも、もっとできたのではないかという思いが頭をよぎる。今回の学びを活かして、次のヨーロッパ遠征では、躍動し続ける姿が見られたら嬉しいな。そのためにも日本からたくさんの声援を送っていきましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?