【第3回】呼ばれたら飛んで行く「地方創生」屋さん

地方創生DXコンサルタントとして活動していく中でご縁があり株式会社猿人様主催の「自治体DX 友だちの輪」にてコラムを掲載させていただいておりました。

こちらのコミュニティが昨年度で終了したとのことで今回、猿人様よりこれまで投稿していた記事を私のNoteで掲載する許可を頂きましたので投稿していきます。


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こんにちは、地方創生DXコンサルタントの廣瀬です。

今回から私の立ち位置を明確化するために名乗り方を変えました。引き続きLINE WORKS推しのコンサルタントであることは変わりません。

今回の記事を作成するにあたって取材をさせていただいた出雲たかはし社の高橋社長のお話がきっかけです。高橋社長曰く、LINE WORKSのみならず地方を元気にする話においてDXにまつわる困り事からどんなご相談ごとにもまずは必ずお話を伺う姿勢が、私とのご縁で何より重要であったことを伺ったことから、その様に考えた次第です。

前回の記事では地方創生活動の立ち上げからの不成功と苦労からの改善への道のりをご紹介いたしました。

今回から、独自の地方創生活動として最初に活動自体のロールモデルと考えられそうな示唆を得ることができ、その後も小さな成功体験を積み上げることが継続できている島根でのお話を何回かご紹介したいと思います。

今回は島根県での地方創生活動において経営者コミュニティ/事業家ネットワークにおける個性的なグループ活動を行っている雲州志士会の高橋副会長にお話を伺ってまいりました。主なトピックは雲州志士会という謎に活発な組織とその特徴、そして私の地方創生活動に関わってくれたその理由とモティベーションについてです。

▼雲州志士会とLINE WORKSの取り組み事例


   (左:高橋副会長、右:筆者)

高橋さんは「出雲たかはし」という大変個性的な製麺会社を経営されています。コロナが猛威を振るった期間の間にも売上をしっかり伸ばされた辣腕の経営者です。

麺職人としてもその造詣の深さは突出されており、こちらの個性を打ち出した商品の数々は一度食べると忘れられない印象深さを持っておられます。

私も「居酒屋廣瀬」という看板で飲食のコンサルティングも生業としておりますが、出雲たかはしの麺は他に変え難い飲食体験を提供してくれます。宣伝になってしまいましたが皆さんも是非一度お試しください。


▼出雲たかはし オンラインショップ


▼出雲らぁめん乾(筆者おすすめ)


▼酸辣拉麺(筆者おすすめ)


筆者:高橋さん、今日はお時間いただきありがとうございます。まず最初に「雲州志士会」という組織について聞かせてもらえますか?似て非なるものに商工会や青年会、中小企業家同友会などがあると思うのですが、雲州志士会って一体どういう組織なんですか?

高橋さん:どういう組織(笑)そうですね、実は元々は島根県の同友会をなんとなく母体にはしています。同友会は組織としては歴史もあるし成り立ちとしても成熟しているので、どうしても小回りが効かないところがありました。そんな状況で中々新しい活動を同友会の中では立ち上げにくかったのですが、地方創生で伝説の公務員として有名な福間敏さんが「地域を守ることに燃えることのできる若手経営者を集めよう」と後の志士会発起人となる何人かの同友会経営者に号令をかけたんです。それに呼応して集まった有志の経営者集団が雲州志士会でした。

▼福間敏さんが経済産業委員会に企業立地促進法制定審議の参考人として招致された際の国会答弁


筆者:
「福間さんの志」という言葉を志士会メンバーの皆さんから、しばしばお聞きします。私は志士会にお伺いするようになった頃ちょうど福間さんはお身体を壊されていて結局お会いすることは叶わなかったんです。一度お会いしたかったです。

声掛けの志が「地域守りに燃えることができる」ですから、やはり志士会のメンバー皆さん個性的ですよね。

高橋さん:そう、みんな変わってる(笑)やはり、尖っていて面白い人を集めていこうというのが慣例となっています。そしてそういう尖った人を押し出していこうという気持ちも強い。その先に地域の盛り上がりがあって経済的に活性化して、その上で地域を守ることができるんだという思いはメンバー全員に共通しています。

筆者:そうなんですよね。皆さん常に「里」「地域」という言葉を念頭に経営もコミュニティ活動もしてらっしゃる。それは定例会の議事進行や個別の打ち合わせ、懇親会でも常に心からケアしていることがよくわかります。

高橋さん:そうですね。それは本当にそう思います。

筆者:私も何度か志士会からの依頼で地域の企業や取り組みのコンサルティングを個人でも引受けさせていただきました。このときも志士会としての意向は、対象となる企業・取り組みが「里守り」として必要なんだ、だからコンサルタントとしての専門性を持って力を貸してくれということでした。本来なら自治体や地銀などがやるべき取り組みを経営者任意団体がこんなに積極的に行っている例は他に見たことはありません。

高橋さん:そうですね。それは本当に私も自慢に思いますし、志士会でなければできない活動だと思います。

筆者:そんな志士会への参加は私が松江市商工会議所でのセミナーに私が登壇した際に前会長の野津さんがセミナーにご参加いただいた際のご縁で志士会にゲスト参加させていただいたことが最初だったのですが、その際の私の印象はどうでしたか?

高橋さん:毎回野津さんは話が面白そうな人を誰か彼かゲストに連れてくるのですが、その一人かな、というのが正直なところです。そして一回は来るけどだいたいすぐ売上とか商機につながらないと見ると逃げちゃう、その一人だろうなって思ってましたよ(笑)正直あまり特別な感想はなかったですね(笑)

筆者:うーん、耳が痛いです。でもいまはこうやって深く関わっていただいている。本当に有難いですが、どのへんで「こいつと仕事してみよう」って思われましたか?

高橋さん:うーん、だいぶ後ですね。

2回、3回と志士会への参加を重ねられていて、そのときに「この人はちゃんと継続して来る人なんだ」って少し印象が変わりました。やはり金にならない、売上が目の前に見えない、となると再訪されない人がほとんどですから。そのうち何度か具体的な地場の企業の悩みとかコミュニティの課題とかの話題を廣瀬さんに向けるようになったんですけど、その時に思ったのは「この人は体も魂も島根に向き合っている人だ」って思えたんですよ。

自分の会社の商品の話も当然されますが、基本的に話す姿勢が自分の会社よりも相手の会社にとっての良かれを前提に話しされるじゃないですか。だからその会社にとって必要じゃなかったら「それLINE WORKSじゃないですね」とか平気で言っちゃうし。それ会社員として駄目でしょって思いましたけど(笑)、逆に私はビビっと来たんです。「この人と仕事しようって」

筆者:ええ?そんな隠された心の動きが有ったんですか?結構綱渡りだったんですね私。もしかして懇親会の場で「廣瀬さん、うちはいつLINE WORKS入れたらいいの?」って聞いてくれたのがその時ですか?

高橋さん:そうそう(笑)

筆者:そうだったんですね。その日のこととても良く覚えています。高橋さんに認められたって思った日です。

高橋さん:そうそう(笑)

筆者:でも、今お聞かせいただいたお話からすると島根県ネイティブの人間じゃなくても島根に体と魂が向いていたら雲州志士会には歓迎されるということですね。(筆者は現在県外出身者にも関わらず志士会会員の光栄に預かっています)

高橋さん:そうですね。中々いないですけど、今後もそういう人が増えたらいいですね。

筆者:そんな志士会の様な活動を全国にも広げていく、なんていう活動はありえないですかね?私がご縁のある地域でも例えば秋田などでは同じく秋田志士会を立ち上げたいというご相談を実際に受けているのですが。

高橋さん:簡単ではないと思いますがやる意義はあると思います。今の志士会も本当に稀有な才能が良いタイミングで集まったことが結成できた一番の要因でした。包容力に優れたリーダー、優しさに溢れた相談役、空気が読めないコミュニケーション力が化け物級の暴れん坊、ピエロ役を敢えて担って空気を和ませるバランサーなどが本当に良いタイミングで揃ったことが一番大きな勝因だったと思います。そういった結成のための動機とノウハウ両方を講演やコンサル的支援が可能であれば是非お手伝いしたいと思います。

筆者:そんなことができたら最高ですね。その際は是非お手伝いさせてください。本日はお忙しい中ありがとうございました。


©2023年 株式会社猿人ならびに「自治体DX 友だちの輪」コミュニティ

本資料は株式会社猿人主催「自治体DX 友だちの輪」コミュニティにてコラム掲載。
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