短編 「ヨーグルトのある世界の恋」
水平線の向こうまでヨーグルトだから、これは水平線じゃなくてヨーグルト線だと思います、と理科の授業中にこたえたら、「水平線は水平線だ。おまえは理屈っぽいから、みんなに嫌われる」と先生が冗談っぽく言って、みんなが爆笑する。
僕もつられて笑うけど、何がおかしいんだかさっぱりわからない。僕のほうが絶対に正しい。どう見たって窓の外の、はるかかなたまで広がっているのは、白い白いヨーグルトのかたまりだ。
クラスでただ一人笑わなかった美玲と、僕はのちに結婚する。
こんな小さな村にいるの