【小説】 「ロング・アイランド・アイスティー」
キャバクラのラストで流れる音楽は、優しいバラードが多い。少なくとも私が働いていたちょっと前までは。いまはアレのせいで大変だって聞く。夜の世界を狙い撃ちにしたみたいな疫病で、みんな元気かなって心配になる。でも顔がよくて喋れる子ならライブ配信して投げ銭もらえばいいから大丈夫かな。肉体的におじさんと接しないのはたぶん楽。でも他の部分で削られるか。でもなにかを切り売りしないとお金は稼げない。
新宿駅のライオンの口のまえで声をかけられて、ちょうど同棲中の彼氏と喧嘩したところだったから