くるりのえいがみた

なんか駄目そう。
これが15分くらい観たときの感想だった。そもそも、マイケル・ジャクソンのthis is itくらいしかドキュメンタリー映画なるものを観たことがない僕にとって、ストーリー性の薄い映画というのは、少し退屈に思えてしまっていた、始めのうちは。
 だが徐々に、流れる音楽や、それが作られていく過程。少しずつだけど、確かに変わっていく音や、目指そうとしている事。そんな事が、簡単な言葉には決してまとまりきらないけれど、画面からスピーカーから溢れ出していて、つい人目を忘れて身体を動かしてしまうほどだった。特に印象に残ったのは、ピアノを3人で弾いているシーンや、ドラムを岸田さんが叩いている所、歌詞を10分で形にしていく所、尼崎の魚を演奏してるシーン、そして取り敢えずできたところから、駄目そうなものに手をかけていくという姿勢だ。どれも力強く、説得力とパワーがあり簡単には壊れそうもない確固たるものを感じた。これがかっこいいんだなと本当に思った。映画が終わる頃には、すっかり感動してしまって、早く家に帰って、なんかダメっぽい自分の作りかけの曲を良くしたいと思えた。
 ちょっと観なくても良いかな、なんて思ってた映画程心に響くしそういう意味じゃ、クレヨンしんちゃんも観に行こうかななんて思ってしまう。
 まともに、ドキュメンタリー映画を観たことがあまりない自分だったが、これからは積極的に映画のボップじゃない部分にも触れていきたいと思う。

 理屈じゃないんですわ、理屈じゃ。マジで。

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