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再発明した車輪を高く買わない/インフルエンサーの情報商材に注意

佐藤ひろおです。会社を休んで早稲田の大学院生をしています。
三国志の研究を学んでいます。

研究を学んでいると、「先行研究をきちんと調査して踏まえたか?」というのを、口を酸っぱくして指導されます。
すでに先人が結果を出していたら、同じことに取り組むのは二度手間だ。先人を参考にせずに、同じ成果を出したとしても、世間からは認められない。だってすでに、先人が公表しているのと同じ内容なのだから。

「車輪の再発明」という言葉があります。
車輪という便利な器具があって、これを使うと、少ない力で荷物を運べますよね。すでに車輪が世に出ているのに、それを無視してガレージに籠もり、カンニングをせずに独自に再発明をする……。
無意味なもの、の代表です。

研究指導でこれを言われると、正しいけれど、「むずかしい」「たいへんだ」と感じてしまう。でも、ネットでも、同じことが起きていると思うんですよ。
ネットのインフルエンサーは、わりと高いお値段をつけて、「情報」を販売します。しかし、2000円未満の本で同じ内容が手に入る場合が多い。「その人の口から出るから価値がある」という仕方で、高い値段がついているし、それに価値があると思うなら、よろこんで払えばいいけど……。
「情報商材」と呼ばれるのは、これが多い。

たとえるなら、有名人の「サイン」ですよ。有名人が名前をみずから書いてくれるから、価値があると感じる。
ふつう名前を書くのは、「わたしはだれか」「だれのものか」を示すための行為です。ところが「サイン」は、意義が異なる。かの有名人がなんという名前か?ということは、サインをもらうひとも知り尽くしている。「情報」としての価値がない。でも、サインがほしい。サインの画像は、ネットに落ちているだろう。でも、目の前でマジックで書いてもらうという経験を買っているんでしょうね。
「情報商材」も、これです。

ぼくは、ある有名人のオンラインサロンに入ってました。半年ぐらいで辞めてしまいましたが。
かれは系統的にマーケティングを学んだことはない。しかし芸能や創作活動?の隙間をぬって、ちまたにビジネス書を読みかじり、小規模な実践と実験をくり返して、マーケティングのノウハウを毎日発信。ファンはその内容を持てはやすんですが、ふと冷静にあれば、情報としての価値はないんです。「再発明された車輪の高額購入」ですがな。

「情報商材が悪質だ」とか、「平凡な内容をもてはやすな」と言いたいんじゃなくて、好きならばどんどんお金を払えばいいんですけど、「再発明された車輪の高額購入」っていう言葉を思い付いたので言いたかっただけです。

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