『News Diet』ニュース依存症/自由時間の多い人にお勧め

ロルフ・ドベリ『News Diet』を読みました。

平たくいうと、ニュースは、アルコールやタバコよりも恐ろしい依存性のドラッグであると。スマホに限らず、テレビも日刊新聞も然り。

なんの準備も要らず、お手軽に刺激を得られ、大量の時間を消費し、一時的な快楽となるが、生活の質、幸福度、生産性が落ち、果ては脳が劣化して集中力や思考力を損なうと。
一見、ニュースは有用であり、日々インプットすることが「社会の常識」に思えるし、ニュースから離脱することに罪悪感や背徳感があるけれど、きちんと点検してみると、百害あって一利なし。……という本。

「大人になったら、(日刊)新聞ぐらい読むべきだ」「テレビで、きちんとニュース番組を見ろ」って、親に教育された気がしますけど、親に言われたことって、たいてい間違ってますよね(笑)

この本が勧めていた、「ニュース断食」は、ぼくは、休職するようになったころから、自発的に実践していました。
ニュースへの違和感、というより嫌悪感を、ここまで体系的に述べてくれたので、もう自分が付け加えることがない、と感じました。

休職する前から、テレビは捨ててました。ウェブブラウザのトップページは、ネットニュースが表示されないものに変えました。

最近、身の回りで、ワクチンの副反応に苦しんで、発熱するひとが多かったので、「自分も打っても大丈夫なのか?」と、ふつうに不安になったんです。そして今週、旅行先の京都で、午前中、うっかりテレビをつけちゃったんです。ワクチンの副反応について、「情報番組」が扱っていたので、有益な情報が得られるかも?と、期待をしちゃったんですね。そしたら、30分くらい見ても、なーんにも得られなかったっす(笑)厳密な肩書きは、よく分かりませんでしたが、お医者さまっぽい白衣のおじいさんが出演し、どんな数字もアンケート結果も、曲解??して、「安心してください」って言っちゃいます。「お仕事、ご苦労さまです」以外の感想はなかったです。
ああ一瞬でも、ニュースとかテレビに期待したなんて、ぼくはなにも学んでないな、と壁に頭を打ち付けたくなりました。

とくに、ぼくのような休職者にとって、ニュース・ダイエットは、けっこう大事です。
在宅ワークのひと、フリーランス、無職のひと、療養期間のひとなど、noteを見る機会が多いひとは、ニュース中毒のハマりやすさと相関係数が高いと思います。とくにこの本、オススメです。

アルコール依存症よりも危険

アルコール依存症と同様に、
通勤していない、休職・休学や療養によって、自己裁量権のある持ち時間・自由時間が多いひとほど、依存症を悪化させやすい。退屈をやり過ごす、社会的な罪悪感を薄める、摂取を中止させてくれる仕組みがない、など理由で、アルコール中毒になりやすいし、ニュース中毒にもなりやすい。

ニュース中毒は、アルコールやタバコよりもタチが悪いとされ、なぜなら、「マイナスのハードル」が設けられていること。
アルコールが無料で家に配達されることはない(近くのコンビニで安価で買えるとはいえ、自分で買いに行かなければならない)。ハードルが一応はある。瓶や缶を捨てるのも面倒くさい。
でもニュースは、無料で、スマホやウェブ・ブラウザに、自分好みにカスタマイズされて届く。強制的に通知し、見せてくる。望むまいと、自動的に服用させられるから、逃れるのが大変だと。街角(電車のなかのディスプレイ、待合室などのテレビ)でも、ひっきりなしに垂れ流されている。

社会がアルコール中毒を是認し、促進しているとは言えないでしょうが、「飲み会に行かないと、仲良くなったとは見なされない」「社会人ならば、お酒ぐらい飲めないと」「お酒が飲めないなんて、ノリの悪いやつ」っていう社会常識が、感染症以前は、ありましたよね。「オレの酒が飲めんのか」は、一応はNGとされていましたが、近かったです。
ニュースも同じです。一見、大人のたしなみに見えて、すっぱりと生活から閉め出してしまったほうが正解のようです。

アルコールと同じで、「自分は十分な判断力があって、適切な量に調節できる」というのは、あらゆる人間にとって無理な話で、どこまで毒されているか、という程度の違いがあるだけの、緩慢な自殺のようです。

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