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【50%減】日本/人文科学/博士課程の入学者数

佐藤ひろおです。早稲田の大学院生(三国志の研究)と、週4勤務の正社員(メーカー系の経理職)を兼ねています。

ぼくは日本の人文科学の博士課程(博士後期課程)の1年生です。

21世紀に入ってから大学の「改革」は悪い話しか聞きませんが、博士課程の大学院生の数は、どのように変化しているのか。単純に興味があったので調べてグラフにしました。私が人文科学(文学研究科・東洋哲学コース)の院生なので、人文科学に着目しています。

https://www.nistep.go.jp/sti_indicator/2022/RM318_04.html
このサイトのエクセルデータに基づき、人文科学を強調

合計(人文科学+人文科学以外)の入学者は、2003年に18,232人で、2021年に14,629人でした。うちに占める人文科学の博士課程の入学者は、2003年に1,648人で、2021年に849人になりました。

大学院(博士課程)入学者数/専攻別入学者数の推移(博士課程)より

・2003年から2021年に、合計の入学者が減った
・人文科学はずっと低い割合??

としか読み取れない。人文科学にどんな特色があるのか。2003年の入学者数を「100」として、変化の比率をグラフ化します。

2003年の大学院(博士課程)入学者数を100とした場合の以後の年度の入学者数

2003年から2021年にかけて、
・博士課程の全体の入学者数は、20%減少
・うち人文科学の入学者数は、50%減少
人文科学は、入学者数の減少の「先進」分野

数字の意味を読み取るならば、人口ピラミッド、社会人の入学者数などの変化を加味するべきでしょうし、入学後の経過(卒業できたか、就職できたか)を追跡すべきなので、一概にこれが「いい」「悪い」と決めつけられる話ではありませんが、とりあえず事実として、
人文科学の入学者は、2003年から現在にかけて半減
・減り方が、全体のなかでも鋭い(減少の「先進」分野)

が確認できました。

そんなに「パイ(分け前)」が大きな分野ではないと思います。減少していることが妥当というか、健全に感じました。「この国の人文科学の衰退、軽視を慨歎する」みたいな感想は持ちませんでした。

なぜ2003年から比べたか。社会人の入学者数(合計)が公開されているのが2003年以降だったからです。しかし、「社会人×人文科学」という専攻別の組み合わせはなかったので、データを活かし切れなかった。
ぼくは2001年に大学入学です。「自分が研究室に出入りするようになって、目にしていた先輩たち」をカバーできたのでこれで良しとしました。

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