見出し画像

休職あけ3ヶ月半の意外な結果/大学院生&会社員

佐藤ひろおです。早稲田の大学院生と、週4勤務の正社員(経理職)を兼ねています。三国志の研究を学んでいます。

2020年秋から2023年春まで、会社を休職して、大学院で勉強をしていました。2023年春から復職し、大学院生+会社員を兼ねています。
もうすぐ春学期(修士2年の前半期)が終わるのですが、この期間の変化が見えてきたので、書き留めておきます。

休職中:
・自分の勉強+勉強の楽しさの発信
復職後:
・自分の勉強+会社の仕事

復職の当初、自分の勉強ができなくなるのではないか、という不安が大きかった。時間、注意力、エネルギーなどの面で、大学院生としての勉強が疎かになるのではないか、という心配がいちばん大きかった。
しかし、会社や職場の理解により週4勤務にしていただき、担当する仕事の種類や分量、業務の状況などに助けられたので、「自分の勉強が手に着かないほど忙しくてヘトヘトだ」とはならなかった。

では、どこが「割を食った」かといえば、勉強の楽しさに関する発信です。これは自分にとって、意外な結果でした。

ぼくが発信していた勉強の楽しさには2種類あって、
・社会人が学び直すこと(このnoteで行ってきた)
・私の専門である三国志、東洋史・東洋思想の楽しみ方
この2つについて、休職中は多くの時間とエネルギー、注意力を割いていました。
なぜ発信していたかといえば……、勉強・研究だけをしているのはメンタル的につらすぎた、というのが一点。
そして、誰かに要請されたわけではないが、この世界のどこかの誰かに、気分転換のネタを提供できれば嬉しいと思った。ちょっとした知的好奇心を満たす材料を社会に投下できたらいいな、という動機でした。

誰にも要請されておらず、勝手にやっていた部分。ちょっとカッコをつけるならば、社会に対する贈与、giveの部分です。
ネットに記事を書いたり、youtube動画を作ったり。または、ネットでクラウドファンディングのようにお金を募って、東洋史に関する有益な資料を、ネット上で見られるような活動もしていた(今も一部は継続)。これらは、少し距離をおいて自ら振り返れば、giveの感覚だったと思います。

会社に復職したところで、いきなり大富豪になるわけではない。月間、数十万円をもらうだけです。週4勤務ですから、単純に給料は、勤務日の比率で減少しています。
「多様性」の掛け声は美しいけれど、ぼくは職場の中核社員!というわけではない。フルタイムではないから中核となることは難しい。中核の活躍を期待されても、大学院生としてのぼくが困ってしまう。みるみる昇進・昇給することもないだろう。
いま数十万円が、単月で百万円!にタッチすることはないだろう。

ぼくが天秤にかけるのは、不特定多数に対する「勉強の楽しさ」に関する発信か、あるいは会社での経済的安定か、となった。

もしも「好きを仕事にしている」「個性を活かせる」系の会社員だったら、感じ方は違うのだと思うけれど、、どうしても現在の労働は、「他社から自社を守る」「他部署から自部署を守る」そして、「会社から自分を守る」という、内向きのゼロサムゲームになってしまう。足下をすくわれないように、不利な条件を押しつけられないように、奪いあいのようなゲームになってしまう。「自分のビジネス」ではないので仕方がないし、それが給料をもらうということだ、というお説教が返ってきそうです。

ほかにやりようがあったとは思うが、ぼくの場合、もう転換は難しいと感じます。不感症になることに、メンタルの8割を使ってます。夢中になれる仕事がしたいならば、転職をするのがいいと思います。フラットに考えて、それは分かっているのです。しかし、アラフォーから軽率に動くのは(経済的に)得策ではないし、どのような職種・会社を選べばgiveの世界観で働けるのか、まったく目処がありません。試行錯誤(をおもに失敗)してきた結果としての現状があります。

休職期間が終わるとき、「自分の研究か、あるいは会社の仕事か」という二者択一に迫られると思っていた。しかし、そうではなかった。
ただし、これは予想ができたのかも知れない。
休職して大学院に行くより前も、会社員としての独学でありながら、自分の勉強はしていたんですよね。どのみち、自分で自分の勉強はできるのです。これは、一周回って、ちょっとした発見です。

「不特定多数への発信か、あるいは会社の仕事か」という二者択一。
単純化するならば、利益度外視で社会に向けて情報をまき散らすか、あるいは、きっちり利益や対価を回収するか、という二者択一です。

前者(発信活動)は、アタマがおかしいけれど、とても幸せだ。死ぬ間際に「やってよかった」と思うだろう。
後者(会社勤務)は、とてもクレバーだろう。入念で周到な取引者という気はする。悪くいえば、守銭奴のメンタリティに近い。どうしても利己的になり、内にこもってしまう。死ぬ間際に「だから何だったんだ?」と思ってしまいそう。重労働ではないにも関わらず、月に数十万円を頂けるというのは、とてもありがたい状況なんですけど、後悔してまで取りに行くべきお金なのか。と思ってしまうんです。

復職して3ヶ月半。大学院の春学期が終わりそうな現時点での感じ方を書き留めておきました。半年後、1年後、どうなっているのやら。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?