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テレビをつけても1人も知っている人がいなかった話

佐藤ひろおです。会社を休んで早稲田の大学院生をしています。

早稲田に通学するとき、ホテルに泊まります。
ぼくは自宅にテレビを置かなくなって、3年ぐらい経過しました。ですが、幼少期からの習慣とは凄まじいもので。ホテルにテレビがあれば、「とりあえず電源をつける」と、自動的に体が動くんですね。電源さえ入れたら、なにか面白いこと、役に立つことを見られるんじゃないか?という期待が、染みついているようです。広告収益のモデルとして、めちゃくちゃ優秀だなと思います。マス・世論はテレビが作ります。

ドラマもCMもバラエティも、知っているひとがほとんどいない。外国のテレビを見ているような感じです(日本語が分かる点が異なるが)。バラエティ番組の司会などの中堅以上は、かろうじて「見たことがある」と思えるんですが、ドラマとCMは全滅です。
ハカタ・ハナマル・ダイキチさんは、分かります。

芸能人のキャスティングを仕事とする「放送作家」が発言していましたが、かれらがテレビを見る理由は、「だれを人選したらいいか、情報を集めるため」だそうです。
若手の放送作家は、ほとんどテレビを家に置いていなくて、しかし、「だれを使ったらいいか」を知るための情報源として、テレビを見ろ!!と指導されるそうです。そんなん、出演者一覧表ですむやん。顔と名前を一致させ、キャラクターを知るには、一覧表では足りないか。

テレビにだれを出すべきか(だれを推薦すれば、流行おくれに見えないか)を決めるために、1つ前のテレビ番組を見る。自己完結した世界なんですね。外部性がゼロです。ある人物がテレビでキャスティングされる理由は、その1つ前のテレビ番組でキャスティングされていたから。それ以上でも以下でもない。
「外部性がないから、ダメなんだ」と言いたいんじゃないです。ただただ、テレビをつけたとき、40歳前後と思しい芸人さんも含めて、「こんなに誰も分からないものか……」と驚いたという話がしたかった。

知人が、「芸能人の秘密を暴露するyoutuberを見てる」と言ってて、暴露された「定番」芸能人の名前を聞いても、知らないか、「名前を聞いたことはあるが、顔は分からない」ってひとばかりなんです。
秘密の暴露を楽しむには、前提として、芸能通である必要がある。知らないひとの秘密なんて、ちっとも楽しくないですもんね。

何人もの芸能人を「知らないっす」っとスルーして、5人目ぐらいに、「アヤノゴー」って言われたけど、あ、聞いたことあるかも?「ヤマダタカユキ」って言われて、「山田優の弟?」違いますか、、えー有名だと思いますけどね??と言われ、いや厳しいっす。……と諦めたんですが、あとから考えたら、『電車男』のひとかと。調べたら、2005年公開でした。
「アヤノゴー」さんまでに出てきた4人も、おそらく定番だったんですけど、分からなかったから、記憶にも残ってない。会話の文脈に照らせば、徐々に知名度をあげていったと思うんですけど……。

芸能人を社会的に支えているのって、嫉妬と憎しみ、エアー恋愛感情だと思うので、それら幸福度を下げる感情は、あんまり欲しくないっす。

テレビを持たない。ネット・ニュースが所狭しとつめこまれたポータルサイトを初期表示にしない。それだけで、かなり脳みその容量の節約になっているのでしょう。外部性をもたない、芸能人の芸能人による芸能人のための情報体系から切り離されていても、とくに困ってないです。注意力や記憶量をべつのことに使えているとしたら、それは、かなり得をしているんじゃないかと思いました。
老化でしょうか??
もともと、それほど芸能に興味なかったから、これでいいんす。アンチとかヘイトじゃなくて、関係ない世界のことは知らなくていいです。たとえば、「日本オリーブオイル推進協議会」とか「東アジア・ブルーチーズ理事会」の役員の顔ぶれとか知らないですけど、それと同じ。※そんな団体があるのかも知りません。適当に書きました。

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