新型肺炎のコロナウイルスを消毒するため消毒用アルコール(エタノール)をウイスキーの蒸留で作ろう!

最終ゴールの映像:ウイスキーボトルを加熱し高濃度エタノールを蒸留で抽出します

薬局で消毒液を売っていなくても大丈夫。こんな装置を作って消毒用アルコールを生成してしまいます。



背景:新型コロナウイルス(COVID-19)の大流行

新型肺炎が大流行しています。連日のニュースの通り日本でも感染者が日々増加しています。

感染原因はくしゃみを介した飛沫感染と、手に付着したウイルスを鼻・口・眼などの粘膜に付けてしまう接触感染だそうです。飛沫感染はマスクで対処してもらうとして、今日は接触感染を防ぐための手の消毒についてです。


コロナウイルスは高濃度アルコール(エタノール)で無力化できる

新型肺炎のコロナウイルスは脂肪成分などをウイルス本体にまとった「エンベロープ」型ウイルスです。脂肪分はアルコールに溶けますのでアルコールをぶっかけることでエンベロープ型ウイルスを丸裸にし、一気に無力化してしまうことができます。
とは言え高い濃度のアルコール(エタノール)でなければ効果がないので、俺は毎日ビール引っ掛けているから大丈夫、というものではありません。ググればたくさんの記事や論文がでてきて、どれが絶対的に正しいのか判断はできませんがおおむね度数60~90%くらいが望ましいとされているようです。

画像1


消毒方法1:専用の消毒液を買おう

手についたコロナウイルスを無力化するためには、やはり消毒用エタノールを買うのが一番手っ取り早いです。
自宅に帰ったら消毒用エタノールを手に噴射し、まずウイルスを全滅させてしまいましょう。以下のような銘柄が有名です。

アルボナース

ただ問題は、ウイルスがピークの際には、品切れして入手困難になってしまっていることです。

消毒方法2:無水エタノールを買って少し薄めて使おう

実は薬局などではエタノール(の原液)や消毒用エタノールを販売していることがあります。たとえば無水エタノールが購入できれば、エタノール10に対して水を2~3の割合で加え対コロナウイルス消毒液として使うことが可能です。

消毒エタノール

こちらも同じ問題があり「わかっている」人がエタノールを買い占めてしまうので、ウイルスがピークの際には、品切れして入手困難になってしまっていることです。

消毒方法3:ウオッカ(スピリタス)を買って少し薄めて使おう

酒屋で入手できる最高濃度のアルコールといえばスピリタス。酒として販売されていますが、96%もの濃度なので原液をそのまま飲んでいる人はお見掛けしたことはありません。薬局で買える無水エタノールと同じようにスピリタス10に対して水を2~3の割合で加え対コロナウイルス消毒液として使うことが可能です。
ちなみに日本で手に入るスピリタス以外の一般的ウオッカは濃度が50% 未満であることが多く、そのままではエタノール消毒液としては役不足です。

ウオトカ

そうは言ってもスピリタスは入手が難しい。ロシアでは保育園の売店で売っているかもしれませんが、日本では普通の酒屋には置いていません。

ようやく本題。最後の手段として、酒を蒸留して高濃度エタノールを作ってしまおう!

どうしてもエタノール消毒液が欲しいというあなたに朗報です。最後の手段として自分で作ってしまうことが可能です。方法は簡単。総額2000円程度の機材を自作してウイスキーを買ってきて加熱するだけです。お子さんの教育・学習のための家庭内実験としても興味を持ってもらえることと思います。

蒸留装置の全体像

以下のイラストに示すような形を作ります。

画像5

まずは機材をそろえよう

必要な機材はこれだけ

・適当な水冷用プラ容器:幅 x 奥行 x 高さ = 10cmくらい以上 x 10㎝くらい以上 x 15㎝くらい以上の容器であれば何でもいい。
・シリコンチューブ:内径3mm×100cm
・アルミパイプ:外径4mmのものを金ノコで2.5cm, 5cm に切る
針金:細すぎなければ何でもOK
・パテ:ダイソーの万能エポキシパテか、耐水エポキシパテで十分
・温度計:100度までは計れるもの
・割り箸:竹製ではなく木製でスカスカな安物が望ましい。1膳分。
・原料:ウイスキーのボトル。中身入り。飲むわけではないので安ければ安いほど良い。
・IHコンロ:何もなければガスコンロでも大丈夫ですが誤って引火すると大変危険→事故っても責任はもてません
・IHコンロ用のやかん:IHコンロを使うならIH用のものでなければ温まりません
・加工具:電動ドリル
・加工具:ドリルビット
・加工具:金ノコ:ダイソーのもので十分
・エタノールの取り皿:自宅にある適当な小皿

道具

エタノール蒸留抽出の材料となるウイスキーは、私は近所の「まいばすけっと」で最安値で売っていた「凛」という銘柄にしました。720ml で アルコール度数37%のものが 678円。材料としては量が多く元々の度数が高いほど抽出できるエタノールの量が多くなるので、価格を考えると日本ではウイスキー一択になるでしょう。焼酎とちがってウイスキーは琥珀色の液体から無色透明のエタノールが抽出されるので見ていて楽しいです。

画像7

必要な加工をしよう1:アルミパイプ

買ってきたアルミパイプを金ノコでちょん切って、2.5cm の長さのものと、5cm の長さのもの2つを作るだけ。端面がガサついているようでしたらやすりで削りましょう。

必要な加工をしよう2:ウイスキーボトルのキャップ

今回はボトルごと温めてしまうつもりなので、ボトルのキャップにφ4mmの穴を開けます。(ウイスキーとして飲むことはないので)切削屑がウイスキーに入っても良い前提で、ボトルにつけたまま穴を開けてしまいます。

穴にアルミパイプ2.5cm を挿しパテを練りこんで固定します。40秒で外側の素材と内側の素材のムラがなくなるまで練りこんで、20秒で貼り付けます。その後、乾燥まで1時間待ちます。

ここから先は

2,935字 / 5画像

¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?