永訣、ローマ字、ストロベリー・タルト
ほとんどの付き合っている男女の別れ方がそうであるそうに(僕らはけっして恋人という関係ではなっかたのだが)一応、僕らにあった出来事を話し合いながら最後の食事をとった。僕らはまるで秋のクマのように記憶の中にある思い出を片っ端からひろってそれについて話し合った。そのほとんどは普通のカップルにとってはとるに足らない日常の些細なことだったが、来たる孤独の季節にむけて一つでも多くの美しい思い出を僕の心の最奥にとどめておきたかった。
白い陶器の食器に落ちた暗い蛍光灯の鈍い輝きが僕に冬の到