『フレームの取り付け位置の調整をしているのですが、基準や理想的な位置のノウハウがあれは教えてください』

悩みますよね。取り付け位置。
ここかと思えば、いや違う。違うけど、でもあっちじゃない。
繰り返し繰り返し、試して試してようやく見つけた!と思って、翌日乗るとまた違う。

さて、どこが正解なのか?
正解は「自分が一番速く走れるところ」なんですが、それがどこなんだよ!ということですよね。(1行目に戻る)

骨格や筋肉の付き方、走る時の動作の癖、いろいろな要素が影響するので、一つの正解というのはないのですが、フレームの位置を考えるというのは、実はスケート全体の1割くらいを占める重要なポイントだと思います。
単なる位置決めに止まらず、スケーティング動作全体に関わってくることです。

(一応お断りしておきますが、ここではスピード競技の観点から話しています。ホッケーやスラロームなど、他の競技では、それぞれの競技特性に合ったセッティングがあるはずです。)

スケートをする時、地面と唯一接するのはタイヤで、その方向を決めるのがフレームです。アイススケートならブレードそのものにあたります。
身体から発せられた力を、どれだけ漏れなく地面に伝えるか、あるいは反力を体に伝えるか、ここでフレームの位置が重要になってきます。

以下、僕なりのやり方ですので、違う意見もあると思いますが。
(長いです)
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「荷重に偏りがあると、ロスになる」という考えで、目指すところとしては、「まっすぐ乗る」です。では、まっすぐ乗るとはどういうことでしょうか。

まず基準になるのが「まっすぐ立つ」状態です。
これが案外難しいところです。足の裏の神経をよーく研ぎ澄ませてください。

画像1


(「後ろすぎ」の絵がそんなに後ろすぎじゃない件)
荷重点はPOWERSLIDEのTRINITYをイメージするとわかりやすいです。

で、まっすぐ立てた、としまして。
その次は、そのまま上体を降ろしてきます。
均等に荷重するのは変わりません。

画像2

ここまで出来たとしまして、その次は片脚です。
均等荷重は変わりません。

画像3

ダメな方には、いくつか指摘すべきところがありますが、骨盤が開いているのもその一つです。この辺り詳細はまた別途。

ここまでくれば、あと少し!

均等に荷重して片脚に乗っている状態を、フレームをつけて再現すれば良いわけです。と言いますか、均等荷重で乗れる位置を探す感じですね。

ただ、これがまた難しかったりします。
ゆっくりと滑りながら足の裏の神経を研ぎ澄ませて、真っ直ぐ真ん中に乗れる位置を探します。
 前かがみになっていないか?
 外に偏ってないか?
 上半身はズレてないか?....
全て正しい状態になった上で、均等に荷重しないとなりません。
(なので、最初の「まっすぐ立つ」がとても重要です。)

(まっすぐ乗る練習中)

さて、ここまで細かく書いてきましたが、まあだいたい概ね、前側は人差し指寄りの、親指と人差し指の間くらい。後ろ側は踵の真ん中くらい、になるかと。

あと、前後の問題もありますね。前寄りが良いのか、後ろ寄りがいいのか。
ここは多分に走り方の癖に影響されますが、均等に真ん中あたりが良いかと思います。台湾の選手なんかは後ろ寄りが多いイメージがありますが、それもそれぞれです。ただ、極端な前寄り(タイヤが靴の前に出ている状態)はあんまりオススメできないかなぁ、とだけ。

なんだか細かく書きすぎましたが、伝わったでしょうか??
言葉では十分に伝えきれないかもしれません。もしお会いする機会がありましたら、直接訊いていただけたら幸いです。



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