ゲーム紹介#03 ジョイメカファイト

Twitterのハッシュタグ「#いいねされた数だけハマったゲームを紹介する見た人全員やる」をつけて呟いてしまった贖罪その3。

■概要
メーカー:任天堂
ジャンル:格闘ゲーム
プラットフォーム:FC
ファミコン最末期である1993年発売。

■全体評価
・10点満点中10点!
・ファミコンの性能では無理があると思われた格闘ゲームというジャンルを発想の転換によって成し遂げた偉大な作品。

■ストーリー
・イーモン博士とワルモン博士という正義と悪のロボット博士がいて、ワルモン博士は各地のロボたちを悪いことをするように改造して世界征服を企む。
・イーモン博士はお笑いロボであるスカポンを戦闘用に改造し、ワルモン博士の軍団に挑む。ロックマンに似ている。

■システム
・前述の通り1vs1の格闘ゲーム。
・各ロボットは基本的に頭・手・体・足の構成になっている。それらを繋ぐ腕や脛といった関節類が無く、宙に浮いているのが最大の特徴。
・これによって各モーションにそれぞれのグラフィックを用意する必要が無く、浮いた手足を動かすことで回し蹴りやジャンプキックなどのモーション表現・データ削減に成功している。
・4ステージ構成で全36体のロボット(うち4体は四天王と呼ばれるボス扱い)にすべて勝利することでゲームクリア。
・ステージ1はチュートリアル的ステージで、スカポン以外の7体のロボを倒すことで仲間に戻して使用することが出来るようになる。各キャラ様々な性能で、敵との相性を考えて使用することで戦闘が有利になる。ロックマンに似ている。
・初期の対戦モードではステージ1で仲間になる7+1体しか使用できないが、1周クリアすると四天王以外の32体が使用できるようになる。2周目ではハードモードが選択できるようになり、クリアすると四天王も解禁になる。

■映像
・FC最末期だけあり、ラスタスクロールを用いた背景など総じてレベルは高い。
・なにより前述の各パーツ独立・浮動の発想により、滑らかかつスピード感のある戦闘を実現している。これは一見にしかずなので、是非実際に動いているところを見ていただきたい。

■サウンド
・全体的にロック調で、カッコいい曲調の中にも憂いを含んだ感じの旋律が印象的。ロックマンに似ている。
・この作品ややデータが消えやすいのだが、データが消えた時の音楽と画面が専用に用意されており、ドラクエ3・4程ではないがやや不気味な曲なのでゾクッとする。

■操作性
・特殊な操作は無く、後ろ方向にキーを入れるとガード、上方向でジャンプといったいわゆるスト2型の一般的な操作体系。
・必殺技のコマンドがそれほど難しくなく、下+BとかA+Bといった簡単なものが多いので子供や初心者でもとっつきやすい。↓↙←↙→+強Pみたいな複雑なものは無い。
・ファミコンなのでAとBしかボタンが無い中で各キャラ必ず4種類の必殺技が用意されているのが素晴らしい。
・各キャラの技コマンドと出し方を練習できるチュートリアルが搭載されている。超親切。
・上記のチュートリアルでは教えてくれない隠し技のようなものも多少ある。これは賛否が分かれるところだが、個人的には見つける楽しみもあり、秘密兵器として運用したりも出来たので好評価。

■格闘ゲームとして
・一人用、面クリア型としての側面も持っている関係上、各キャラクターの能力がバランス良く作られているとは言い難い。
・例えば四天王はどれも強力な性能だし、特にラスボスのホウオウを対人戦で使う行為は人として許されない。
・ステージ4のロボットたちは仲間ロボの上位互換なので性能も完全にではないがほぼ同じ。そう考えると実質28キャラと言える。
・それでも絶対に勝てないというわけでもなく、例えば「ザコ」というその名の通り弱めの機体があるのだが工夫次第では彼でホウオウに勝つことも可能な調整となっている。
・確か同キャラ対戦は出来なかったような気がする。

■総評
・発想の転換がハードの限界を凌駕した作品の好例。
・それでいて初心者にもとっつきやすいシステム、強敵を倒す達成感、それなりにバランスの取られた対戦モード。
・ファミコン最末期にふさわしい今でも楽しめる高水準の作品。Switchでも遊べるので是非プレイしてみて欲しい。

■余談
・基本的に格闘ゲームというジャンルのエポックメイキングは91年発表のストリートファイター2(アーケード)で、それ以前ではあまり作風が確立していなかったように思える。
・ファミコンで遊べるスト2型の1vs1の格闘ゲームと言えば
「アーバンチャンピオン」(FC初期の作品)
「イー・アール・カンフー」(FC初期の作品)
「ケルナグール」(名作)
「ファイティングロード」(クソゲー)
「風雲少林拳」(クソゲー)
あたりだろうか。「飛龍の拳」はシステムがスト2的とは言えないので除外した。

・どれもスト2以前なので洗練された印象は無く、ケルナグール以外は単調であったり難解であったりという感じ。
・その点で本作はファミコンながらスト2レベルで熱中し遊べる作品であると言い切れるので超オススメなのでした。

おわり。

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