ゴミみたいな派遣会社に、社会はどう対抗すべきか。

わたしは一昨年から派遣を利用してきたけど、ゴミみたいといいつつ、メリットも大きいと感じてきた。
 まず、時給がパートなどよりもずっといい点。また、2ヶ月更新だから、気に入らない職場ならその時点で切ればいい、という気楽さもある。さらに、夜勤をやらないとか、特定の曜日は休みたいとか、条件を細かく指定して働くことも可能である。

しかし、わたしは派遣に頼らないのであればそのほうがいいと思っている。派遣会社は本来なら不要な存在である。ときどきいわれるように、派遣会社は中間搾取的な業態で、本来であれば介護現場の待遇改善に向けられるべき介護報酬も、間に派遣会社が入るせいで現場の待遇改善にお金をかけられない、という面があると思う。
 介護現場でときどき見かけるのは、派遣を3年の満期まで同じ職場に勤めて、また別の職場を紹介して探してもらうという人がいる。それだけ長く一つの職場で働くならいっそのこと常勤になればいいものを、なぜかそうしない、その人は派遣で働くことにこだわりがあるのだろうか? 自分には理解できないと思ってます。

いまの人材不足の時代に、派遣会社を活用しないというのも現実的に難しいだろう。では、どうすればいいのか。
 まず、時給に関して、パートの給料をぐっと引き上げることはできないのか? 介護職のパートなんて、資格職であるにもかかわらず最低賃金レベルにおかれているのも問題である。日本では同一労働同一賃金がまったく実現されておらず、パートの時給が不当に低く抑えられているように見える。これは、夫の扶養に入ってる主婦の「年収の壁」とかがあるからなんだろうが、こうした専業主婦を優遇する社会保障制度からしてそもそも問題なんじゃないのか? 

また、採用についても、一つの事業所だけでなく、複数の事業所が協力しあっていく仕組みづくりがますます不可欠になっているように思う。 
 たとえば、採用されて働いてみて、この職場が合わないと感じるから、べつの職場を紹介してそこで働いてもらう…このように派遣に似たようなシステムを、介護事業者自身が自分たちでつくり上げていくしかないのではないか?

また、雇用条件もきめ細かく設定して、応募者が自由に選べるようにすべきではないか。いまの時代は「多様な働き方」といわれてるくらいなんだからさ。現状では、常勤の正社員とパートの二者択一しかないわけで、そこからして問題だろう。
 日勤も夜勤もフルシフトでこなして、なおかつ週5日きっちり働けないなら、あとはパートで働くしかない…こうした選択肢の狭さ、少なさが問題だと思わないのだろうか? そうであるから、派遣会社にどんどん人材が集まるようになってしまうのである。

以上のように、できるだけ派遣会社に頼らずに、介護業界がどうすれば人材を確保してやっていくか、わたしなりの大まかな考えを述べた。このように制度や仕組みを根本から変えることができないなら、今後ますます人材派遣会社全盛の時代になっていくのではないか。それは結局、介護現場の首をますます締めることにつながるのではないか、と懸念しています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?