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社会福祉法人 合掌苑への応募を考えてみる

不眠症をかかえてるわたしは、もう夜勤をやらないことに決めているので、これからは日勤メインで働くことになる。
 日勤だけなら、老人ホームの看護師への転職も考えたものの、経験の浅い元 看護師のわたしにとっていまいち気乗りしない。第一、施設ナースの働きぶりをみて、べつにやってみたいとは思わない。

このように、自分にとって限られた人生の選択肢に思いをめぐらせるのである。
 それは、いま介護派遣で働いていて、気楽に働ける反面、そうした生き方・働き方に不安をおぼえるからだろう。いまはこの施設で働いている、そしてここで働き続けるつもりもない、それならつぎは何処へいくのか…そうやって次から次へと仕事先を紹介してもらう働き方に、どこか疲れているのである。
 いいかげん、どこかいい施設があるなら、そこに身を落ち着けたいという思いがある。

そこでふと思い出したのが、以前読んだ本「介護経営イノベーション」(総合経営出版社)という本である。
 この本には、もともとコンピュータのプログラマーだった人物が社会福祉法人の経営を託され、理事長としてさまざまな改革を打ち出して施設を変革していく様子が記されていた。
 これを読んで、わたしも「こんな革新的な介護施設で働いてみたいものだなぁ」と思ったものだった。とくに惹かれたのが、“アメーバ経営”、“全員参加型の経営”というワードだろうか。
 
当たり前のはなしだが、介護施設の多くは現場のことなんか考えていない。指示は上から下へと一方的に降りていくばかりで、現場から組織を変革する、なんて考えられないことである。
 現場サイドでやれることといえば、細かいケアのあり方をどうするかといったことだけで、現場の人間には施設の経営やマネジメントに口出しすることができない。そして、そのことに問題があるとずっと感じていた。だから、合掌苑のいう“全員参加型の経営”とはどんなものだろうかと気になっていたのである。
 また同法人は、職員が働きやすく離職率が低いということで、介護業界のなかではけっこう有名らしいのだ。

合掌苑という社会福祉法人は、本部は東京の南町田に位置しており、最寄り駅としてはJR横浜線の成瀬駅になるようである。主として、特養一つと有料老人ホーム2箇所、あとはデイサービスなどを経営しているようだ。
 勤務形態は、日勤と夜勤が完全に分離しているのが特徴的である。日勤は日勤だけ、夜勤は夜勤だけ、という勤務になっているらしい。
 募集要項をみてみると、給料や待遇もよさそうに見える。ただし、この法人にはボーナスや退職金はないらしく、あっても雀の涙ほどの金額しかないという、正社員採用としては信じられない話も聞く。その分をたんに月額の給与に上乗せしてるだけ、と理解することもできそう。

他にもまだまだ気になるところはある。遅番が21時、あるいは21時半と遅くまであるため、不眠症のわたしにとってちょっと生活リズムが乱れやすいかな、という懸念がある。
 また、所在地にしても、現時点で募集があるのは有料のほうで、最寄り駅が南町田グランベリーパーク駅になるらしい。ちょっと聞いたことがない駅名である。
 現在、わたしの現住所から通うとなると、橋本駅で横浜線に乗り換え、さらに長津田でべつの路線に乗り換え…ちょっと面倒だなと思う。かといって、職場の近くにわざわざ引っ越すというのも気が引ける。
 あとは、採用面接が3回以上もあるらしい、という問題である。これでは一般の大企業とほとんど変わらないレベルだ。一次面接の前には適性検査をやると書いてあるが、介護の仕事をやるのに適性検査ってなに?? と思う。
 
さらに、ここの理事長がいうには、時間をかけて施設の理念にマッチする人材を採用する、というのが気になる。
 これまで介護の現場で働いてきて、施設の理念が重要だと思ったことは一度もないのだから。べつに施設の理念なんて知らない、共感していなくても、仕事をすることはできるし、それでべつに問題はないと思う。
 だから、この法人の理事長が、なぜここまで強調するのか理由が理解できない。極端なことをいえば、「理事長が言うことは絶対に正しい」「上が決めたことには黙って従え」、というふうに言われているようにも解釈できる。
 自分たちの法人の理念に共感する人間ばかりを集めて、周りを“ゴマすり”ばかりで固めたいのだろうか? 折しも、ビッグモーター不正事件が世間を騒がせているので、ついついそう勘ぐりたくもなるのである。


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