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ポートレートと記録の世界

9月14日からニコンプラザで開催される写真展「伝えたい、わたしの世界」。
Z fcで撮り下ろした作品の企画展に参加させていただいてます。
(大阪のニコンプラザでは10月14日から)

写真展のテーマはそれぞれのフォトグラファーに委ねられていて、
今回僕は「ポートレートと記録の世界」というテーマで撮影しています。
自分の中では新しい感覚で撮影に挑めたのもあり、
それを少しnoteにまとめたいと思います。
まずは展示に添えたキャプションから。

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今回の展示で被写体になってくれた友人のはなちゃん。
普段はモデル活動もしてない子ですが、彼女は僕の中でポートレートにおいて新しい感覚を教えてくれた人です。
それは「撮りたい」というより「残したい」という感覚でした。

写真には記録としての側面と、表現の手段としての側面があると思います。
普段は表現の手段として写真を捉えることが多いのですが、
彼女には表現としてではなく、写真で「残したい」という衝動を持ちました。
自分にとってそれはとても新鮮な感覚でした。

彼女の真っ直ぐに生き、
無邪気に笑い、ガムシャラにもがくその姿の中に、
どこか生命が燃える煌めきのようなものを感じ、
今の姿やそこに流れる時間や空気を残したいと思ったのかもしれません。

Zfcというカメラは「記録」を残したくなるカメラだと思っています。
この展示も記録的な側面に軸を置いた展示にしたいと考え、
残したいと思った彼女を被写体に撮影を行いました。

自分にとっても現時点の写真と向き合う自身の姿の記録でもあります。
皆さんの視点でもこの記録を楽しんでいただければ幸いです。

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記録と表現と写真

一般的に写真は記念写真や家族写真のように記録するものとして考えられていると思いますが、
僕の中でポートレート作品を撮る時には記録というより表現するということが主軸となっていることが多いです。
どちらかというと被写体のモデルと一緒に作品を創るという感覚が強くあります。
それも写真表現の向き合い方の一つだと思いますが、今回Z fcで撮影した展示に臨むにあたりそこから離れた軸で撮影したいと思いました。

写真は絵画や音楽などの表現よりも「記録」ということが根幹となる表現で、アートや表現としての写真を撮ったとしてもそこに写るものは実存しています。
なので写真と記録というものは切り離せないものだと思います。
そんな記録という側面にいつもより軸を置いた作品を撮ってみたいと思い今回の写真展の機会に撮影を試みました。

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「撮りたい」ではなく「残したい」

キャプションでも触れていますが、今回被写体になってくれたはなちゃんは普段はモデル活動もしていないフォトグラファーを目指し頑張っている女の子です。
半年ほど前、写真展で知り合ってから実際に会ったのは3回程度でしたが彼女には「写真で残したい」と思わせてくれる何かがありました。

この人を「撮りたい」と思うことがあると思います。
僕の中では「撮りたい」=「写真で表現したい」という感覚があり、この人と一緒に写真作品を創ってみたいという感覚があります。
彼女に感じたのは「撮りたい」というよりも「残したい」という感覚でした。
その感覚が僕にとっては新しく、今回の展示のテーマに考えていた「記録」とちょうど重なり撮影をお願いしました。

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彼女の何が「残したい」という感覚にさせてくれたのか。
文章にすると稚拙な感じになりそうなのであまり多くは書きませんが、
どこかに生命を燃やして生きる煌めきのようなものを感じ、残したいと思ったのかもしれません。
真っ直ぐに生きる姿は自然とシャッターを押したいと思う衝動を起こさせてくれました。
彼女の中の「残したいと思わせる何か」を写真から少しでも感じてもらえれば嬉しいです。

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写真展での作品は熱海に出かけ、記録という軸で表現する撮影に挑んでいます。
僕的にはまだ記録という軸での撮影はあまり慣れていなく、そこに記録としての写真が本当に写っているかわかりません。
やはりまだ表現することを意識した写真かもしれません。
実際に旅に出かけた記念写真を撮ってるわけではないので、完全に記録というわけでもないでしょう。
あくまで僕なりですが、ポートレートとして彼女の今の記録が写っていたらいいなと思います。

そして、それと同時にこれは僕自身の写真と向き合う今の姿の記録でもあります。
写真との向き合い方や考え方は時の経過や経験とともに変化していきます。
そんな僕自身の写真の記録としても楽しんでもらえれば幸いです。

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あなたを残すということ

今回の展示とはなちゃんとの出会いによって「記録」を軸にした撮影を意識する機会をもらえました。
出会いや機会によって写真は変わっていくから面白いですね。

はなちゃんに感じた「残したい」という感覚。
残したいと思った生命を燃やして生きる姿は、きっと誰しもが持っている姿なんだと思います。
それをもっと見つけてその光を掬っていけるようになったら、また写真も変わっていくのかなと思います。
また一つ僕の写真の新たな一歩を教えてくれた出会いと機会に感謝しながら、今日も写真を撮って来たいと思います。

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NICO STOP 写真展 「伝えたい、わたしの世界」

会場:ニコンプラザ東京THE GALLERY、ニコンプラザ大阪THE GALLERY

展示期間:
●ニコンプラザ東京THE GALLERY
(VOL.1)2021年9月14日(火)~9月27日(月) 嵐田大志、酒井貴弘、sachi
(VOL.2)2021年9月28日(火)~10月11日(月) 鎌田風花、jyota tomonori/misuzu、宵月絃

●ニコンプラザ大阪THE GALLERY
(VOL.1)2021年10月14日(木)~10月27日(水) 嵐田大志、酒井貴弘、sachi
(VOL.2)2021年10月28日(木)~11月10日(水) 鎌田風花、jyota tomonori/misuzu、宵月絃

開館時間:10時30分~18時30分(日曜日休館/最終日は15時まで)

https://nicostop.nikon-image.com/entry/event/photo-exhibition/2021/08/26/1



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