ココロノテンキ

天気は変わりゆく。そしてそれは自ら操ることなんてできない。
晴れ・曇り・雨・風・雪…自分の思いとは無関係に、廻っていく。

人の心はどうだろう。冷たい雨が降る夜くらい、心を晴らしたいものである。しかしそんな考えとは裏腹に、ここ数年、曇天が続いている。気温も常に低い。
こうも冴えない日が続くと、太陽に焦がれる思いなんてとっくに消え去り、既にその存在すら忘れてしまっている。

この閉塞感を打破するために、一定の高揚感をもたらす何かが渇望される。陽なるものへの憧れ。そして少しの嫌悪感。

自分一人ではどうにもならないと悟った時
「ああ、こうして、独裁者が生まれるのか」
ひたすら灰色の敷き詰められた異国の空を見上げながら、
そう思ったものだった。


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