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仙台89ers:2023-24シーズン 第36節(5/4、5 Away Game vs 群馬 at オープンハウスアリーナ太田)雑感

第36節のプレビューはこちら。


◯試合前トピック

・2023-24シーズンHome Game全試合満員達成

第34節北海道戦にてすでに平均観客動員4,000人超は達成していましたが、前節茨城戦もGame1、2とも観客動員4,000人超として、Home Game全Gameでの満員を達成。

コロナ禍は特殊な状況下でしたが、コロナ禍前、昨季と比べても大幅な動員増はクラブフロントの努力が実を結んだ形でしょう。もちろん、今季開幕前に開催されたFIBA W杯での日本の活躍、映画スラムダンクの人気が後押しとなったのももちろんですが、初めて観戦されたような方からも「こんなに楽しいとは思わなかった」という声もちらほら聞こえてたのは嬉しかった。

そしてその楽しさの前には、チームがある程度勝つ姿を見せないことには始まらないわけで、そういった意味では今季Home Gameでも14勝と、半分の15勝には一歩及ばなかったわけですが、昨季より大幅に増やすことができたのは、これもコーチングスタッフや選手たちの努力と奮闘の賜物でしょう。

首尾よくB-PREMIREへ参入となるかどうかはわかりませんが、今季ハートをつかんだファンになりかけの方々をに来季もしっかりリピートして来場してもらうにはこれからさらなる努力がフロントには求められますし、今季以上に勝ちを目指せるチーム作りが重要になってきます。

今節で選手・スタッフたちの2023-24のレギュラーシーズンは終了ですが、フロントにおかれましては、2024-25シーズンはすでに始まっているといっても過言ではないと思いますので、来季もたくさんの観衆に来ていただけるようしっかりGrind!していただきましょうwもちろんフロント任せにするだけでななく、我々ガチめなファン・ブースター勢も折に触れて89ersの魅力を周辺に伝えていければな、と思います。Grind!

◯Game1(5/4 15:05 TO)仙台85群馬97

Game1のエントリーメンバー、スターターは以下の通り。

以下雑感。

・群馬は今節ターズースキーが復帰、フルメンバーがそろう。仙台も前節復帰の岡田を含めてフルメンバー同士の対戦。
・序盤からスコアリングしあいでリードチェンジが目まぐるしく繰り返される。仙台は度々群馬ディフェンスにスティールを喫したり、合わせのパスが乱れるなどのターンオーバーが目立つものの、いつもよりは立ち上がりのシュート精度は悪くないし、ディフェンスもしっかり強度をもって遂行できている。
・1Qは互いの持ち味を見せながらのバチバチの展開となり24-24のイーブンで終了。
・2Qも1Qからの流れが変わらずリードチェンジを繰り返し、どりらもモメンタムをなかなか引き寄せられない。気になるのはやはり仙台側に少し被スティールが多いところ。一歩リードしてさあ次、というタイミングで断ち切られては乗り切れず、リードを広げる決定打を作れない。
・しかし群馬にも決定的なランを作らせることのないしぶといディフェンスは続けられているため、群馬にも乗り切らせていないため、Gameは非常に拮抗、2QラストポゼッションでトーマスがFTをきっちり2本そろえて45-44の1点リードとしたところで前半が終了。
・前回対戦同様非常に拮抗したヒリヒリした展開となっているが、ここから先は我慢比べ、後半は一段ディフェンスのギアを上げて群馬のオフェンスをしっかり防いで勝機を見出したい。
・後半は入りよく、仙台がリードを広げかけるが、すぐさま群馬も盛り返し、再びリードチェンジを繰り返す展開が続く。
・しかし後半少しギアをあげた群馬ディフェンスの圧の前に、シュート精度が低下、同点としたところからいいディフェンスでポゼッションをもってきても決め切れずにリードを作れない。
・そんなこんなで3Qの終盤、66-68と2点ビハインドのところ、このまま締めたかったところで並里にブザービーター3Pを決められてしまい、5点ビハインドとされてしまったところが最終的に今Gameの分岐点だったかもしれない。
・3Qラストの気分のいい展開で群馬ディフェンスのギアがますます上がると、仙台はシュートをなかなか決め切れず、その間にも群馬にこつこつとシュートを決められてはビハインドがじわじわ広がっていくと点差は2桁に。
・なんとか差を縮めたい仙台だったが、逸る気持ちかファウルがかさみ、群馬にボーナススローを与えてはこれを決められ、差がなかなか縮まらずないうちにOTO。
・その後も10点前後のビハインドは群馬に巧みにかわされ詰めることができず、そのまま85-97でタイムアップ。
・群馬は今Gameを勝利したことで東地区4位が確定。すなわち秋田も5位確定となって、東地区の全順位が確定。

気になった選手:青木
最終節になってはしまいましたが、エース阿部が抑え込まれた時の一つの答えを示してくれました。前々節の北海道戦でもその兆しは見せていましたが、阿部がうまく攻めれないときにその隙をつく形で青木が得点を重ねる形が非常に効果的になってきています。結果、今Game敗れはしましたが青木はキャリアハイの18得点をマーク。

今季のトレンドめいたところはありますが、千葉J、横浜BC、島根、名古屋Dなどのように仙台もPGが積極的にリムアタックして得点できるチームとなれればやはりオフェンスの幅も広がり、アドバンテージを持てることになるのではないでしょうか。青木自身が来季も果たして仙台でプレイするのかどうかはわかりませんが、さらにブラッシュアップしていければまた一つ上の段階に進めそうです。

◯Game2(5/5 15:05 TO)仙台98群馬79

Game2のエントリーメンバーとスターターは以下の通り。

以下雑感。

・Game1は後半3Qまではどちらに転ぶかわからない拮抗したGameになるも、4Qになって群馬ディフェンスに気圧されたようになってはペースも息切れ、突き放されての悔しい敗戦。今季レギュラーシーズン最終戦でもあるGame2にあたっては、Game1でやり切れなかったことを修正して勝利し、有終の美を飾りたいところ。
・しかし思いとは裏腹に群馬にいきなり0-8のランで先制パンチをくらい雲行きが怪しくなるとベンチはすぐさまTO請求で流れを断ち切る。
・このTOで浮足立ちかけたところは落ち着いて、仙台も追撃を開始。ブース、阿部の得点ですぐさま1ポゼッション差に追いつくとGame1よりも少し強度が上がったディフェンスで群馬に圧をかけてシュートを簡単に決めさせず、一方オフェンスではブースが3Pを決めたところでまずは同点に追いつく。
・ここからはまたGame1同様にリードチェンジを繰り返す拮抗した展開となり、1Qは仙台が1点リードで終了。Game1と比べるとエース阿部に少しタッチが戻っているのは僥倖か。
・2Qも拮抗した状況のまま、リードチェンジを繰り返すGame1同様ヒリつく展開であっという間にOTO。しかしGame1と比べると、群馬に簡単にはファストブレイクで得点させない強度あるディフェンスが光る。
・2Q終了間際にはその強度あるディフェンスが群馬の得点を止め、残り1分42-44のところから阿部の連続ポイントで6点リードとアドバンテージをとりかけるが、2Q終了間際にパーカーのシュートをブースがブロックしたものの、これが運悪くトップオブキーにいた並里にボールが渡ると3Pをきっちり決められ、48-45と3点リードまで縮められてしまい、Game1の3Q終了時のような形に。
・Game1よりは2点多く仙台が前に出る形で前半が終了とはいえ、またしても僅差のヒリヒリする展開に。今季太田でのGameが3戦全てこんな形というのもなかなかすごい。
・Game2後半ではGame1で息切れしまったところの修正ができているかは注目のしどころ。
・3Qも一進一退の攻防が続き、3Qのこり4分ほどまでは双方最大リードは4点ほどにとどまり、突き放しきれない。
・しかし明らかにGame1より強度の高い仙台ディフェンスの前に、群馬は24秒バイオレーションをおかしたりシュート精度に陰りが見え始めると、仙台がインサイドで優位に立ち始め、3分もの間群馬にFGを許さず9-2のランでリードを一時2桁差としてモメンタムを引き寄せ、70-63とリードを広げて3Qが終了。
・4Qは3Qでモメンタムを掴んだ仙台がその勢いのまま、一気に走る。4Q開始から引き続きのディフェンスで群馬のオフェンスを阻み続けるとまたしても3分ほどの間無得点に抑える。この間仙台はGame1ではあまり出せなかったファストブレイクもくりだせるようになり、9-0のランを作ってリードを16点と広げてGame1とはすっかり逆の様相。
・その後ベンティルの3P、ジョーンズのアタックで少し差は縮められるがOTO時点で11点のリードはキープし、OTO後も得点差を縮めようと少し気が逸ったようなプレイになってきていた群馬を巧みにかわして着々と加点、最後はケガから復帰した岡田の「おかえりなさい3P」で締め、98-79と今季最終戦にして今季チーム最多得点を記録してGameは終了、最終戦を勝利で飾ることができた。

気になった選手:阿部
今季は仙台の日本人エースとして、島根時代とは全く違う姿を見せてくれていた阿部。後半戦になると各クラブに対策されて思うように得点できないGameも多くなっていましたし、今節Game1もほぼほぼ封じ込まれてしまっていました。しかし、Game2ではチームも阿部個人もやるべきことをしっかり整理した結果、ブースとともにTeam Highの19得点として、その矜持をみせてくれました。ほんとうに頼りになる選手です。願わくば来季も・・・と思わずにいられませんが、それはこれからの話。

◯最後に

bj時代からしのぎを削りあうライバルクラブの一つの群馬とは今節1勝1敗でシーズン2勝2敗のイーブン。勝敗こそイーブンではありますが、直接対戦の得失点差では上回れましたし、昨季は1勝3敗だったところからすると、群馬の今季に向けての大型補強も考えればかなり仙台の成長がうかがえると言えましょう。今節闘ったオープンハウスアリーナ太田は非常に独特の雰囲気をもっていて、そんな中でのGameではありましたが、惑わされることなくしっかり1つ勝ってみせてくれた仙台の選手たちはとても素晴らしいし、誇らしく思います。

また群馬とは昨季に続いて最終節での対戦で、昨季・今季ともバチバチの熱い闘いを見られたのはとても感慨深かった。今後この例を見ない素晴らしいアリーナの存在やクラブの資産規模を考えると群馬が少し先を行ってしまいそうな気がしなくもないですが、FE名古屋や茨城といった同じくB2で長く闘ってきたクラブ同士、これからもバチバチの熱い闘いをしていけるといいな、と思わずにいられません。

さて今節終了時点、すなわち今季最終の主要チームスタッツを眺めてみましょう。

PPG:78.9→79.3
OPP・PPG:80.5→80.8 
FG%:43.8%→44.0%
3FG%:33.0%→33.3%
eFG%:49.6%→49.8%
APG:20.9→20.9
RPG:40.9→41.0
OFFRTG:106.5→106.8
DEFRTG:108.7→108.8

今節は2Gameとも割とハイスコア気味だったのもあり、オフェンス系スタッツは微増、ディフェンス系スタッツは微減という形でフィニッシュ。昨季と比べてどうだったか、については別の機会に。

前節Home最終節でなんとなく完全燃焼的な雰囲気を醸し出していて、今節に臨むマインドセットが心配でしたが、それは杞憂に終わり、最後まで泥臭くGrind!しながら勝利を目指す選手たちの姿に安心するともに、心打たれるものも感じる最終節でした。また、少し特殊なローカルルールのあるアリーナでのダイキエンについても、事前に有志のかたとどうしようかこうしようかと試行錯誤したり実行に移したりとそれもまた楽しいものでした。思っていたよりもたくさんの仙台ファン・ブースターの方がいらしてましたし、とても心強かったです。

そしてCS進出がないクラブにとっては今季はこれですべてのGameが終了。そして仙台もこのチームでのGameはこれが最後ということで多少のセンチメンタルさも抱えながら最終Gameが終わったアリーナを後にしました。長かったようで短かったようにも感じた2023-24シーズン、皆様大変お疲れさまでした。

今後は選手・スタッフの去就で悲喜こもごものストーブリーグというかクーラーリーグが始まります。これを書いている時点ですでにして89ersファン・ブースター界隈を大激震のニュースが飛び込んではおりますが、その辺についてはこれもまた後日。

それではまた。


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