仙台89ers：2022-23シーズン　第17節（1/11 Away Game vs宇都宮 at ブレックスアリーナ宇都宮）プレビュー

◯これまでの仙台

前節のレビューはこちら。

安定しない試合運びが続く仙台、前節群馬との対戦も自滅する形で連敗を喫し今季最長6連敗となかなか浮上のきっかけを見出せません。

いつだかの記事の中で「ベクトルを同じ方向に合わせないと」と書きましたが、いまだベクトルがどこかチグハグで連携も崩れてしまっていてターンオーバーの連発の末、自ら勝利を手放すような展開ばかりが続きます。

またここに来てケガ人も続出、群馬戦Game1では加藤と渡部が負傷しGame2では田中が相手選手と激突して頭を強打しおそらく脳震盪。そのうち加藤は膝を痛めた模様で少し時間がかかりそう。渡辺、トーマスがケガで離脱している中、さらに前節だけで3人もの負傷者が発生してしまいプレイアブルなプレイヤーが9人のみになってしまうという異常事態です。

補強・補充するにしても今節には登録が間に合うとは思えませんから、今節はおそらく9人で強豪宇都宮に立ち向かわなければなりません。

◯宇都宮ブレックス

今季宇都宮とはHome開幕戦で対戦していて、今節が2巡目。しかし日程の事情で宇都宮とAwayで対戦するのは今Gameのみになります。

前回対戦のレビューはこちら。

前回対戦時には互いに得意なロースコアなペース、仙台がHomeで優位にGameを進めながら、相手エースの輝きと優勝争い経験豊富な老獪さの前に土俵際でうっちゃられてしまう非常にもったいなく悔しい連敗となりました。

その宇都宮もディフェンディングチャンピオンとして今季を闘っていますが、前節までで12勝16敗と黒星先行で東地区5位となかなかに苦しい状況。その要因としてはオフェンス力が奮っていないところで、現状1Gameあたりの得点数は71.36と、同じく得点力に悩む仙台の72.36をも下回る状況です。

オフシーズンにはリーグ屈指のオールラウンダー、マブンガ獲得で話題をさらいましたが、宇都宮の戦術にフィットせずすでに契約が解除。替わりに獲得したジェレットはかつて三河に所属経験ありで、ここまでまずまずの活躍ぶりか。しかし、ややベテラン多めな選手構成もあってかコンディション調整にも苦労している模様で、エース比江島を始め出場エントリーしない選手がちらほら出るのもしばしば。今季EASLが予定通り開催されていたら、さらなる苦境に陥った可能性もあったかもしれません。

◯今節の展望

Home開幕戦では2Gameとも僅差で敗れたわけですが、そこはなんと言っても「ここぞ」というところの決定力の違いを宇都宮に見せつけられたのはいまだ記憶に新しく、奇しくも前節Game2の試合後会見で藤田HCが「決定力の差があった」と述べたとおり、仙台が欲しながらも手に入れることができていない「勝負強さ」を持っているクラブです。

お互いにしっかりしたディフェンスから入っていくクラブなため、今回もロースコアな展開になりそうな気配。いつもならロースコアは仙台ペースと言えそうですが、こと宇都宮と対戦するにあたってはターンオーバーが多すぎるという課題を持つ仙台にとってはむしろ危険な展開かもしれません。課題が簡単に解決すれば苦労はありませんが、少しでもターンオーバーを減らして「シュートで終わる」形に持っていくのが必要でしょう。

仙台は今節稼働できるメンバーがおそらく9人しかいないので、ファウルトラブルには気をつけたいわけですが、さりとてインテンシティ高くディフェンスを遂行しないと対峙できない強敵なのは苦しいところ。オフェンス面ではまだGameごとに波はあるものの、岡田のシュートタッチがかなり戻ってきたのは好材料、群馬戦で狙いすましたディープ3Pを決めたのは爽快な瞬間でした。また主力のケガで出番が回ってきたとはいえ、寺澤もその持てるポテンシャルの片鱗を見せてくれたのもとてもよかったので、この若手2人の活躍に今節も期待したい。

ただ開幕から主力としてプレイタイムが多かった選手たちの中には過密日程や敗戦続き、またケガ人発生による更なるプレイタイム増加で、本人がそのつもりでなくても疲労やフラストレーションを溜めているところがあるのか、プレイぶりに精彩を欠くように見えるのもチラホラ。メンタル面でリフレッシュする時間も少ないですが、今一度気持ちを切り替えられるといいのですが。

とにかく、この苦境を脱するにはどんな形でも勝利を得ることがクラブ、選手、ファン・ブースターにとっての一番のクスリになるに違いありません。流石に今節はいろいろ条件が悪すぎて強豪宇都宮相手に勝利することは至難の業かもしれませんが、オールスターバイウィーク明け以降の闘いに光を差すような内容に期待したいところです。

それではまた。