仙台89ers:2022-23シーズン 第7節(11/26,27 Home Game vs川崎 at ゼビオアリーナ仙台)プレビュー
◯これまでの仙台
前節のレビューはこちら。
天皇杯とW杯アジア予選に伴うバイウィーク明けの強豪島根との Away Gameはワタクシも10数名の同志とともに現地でダイキエンを送りましたが力及ばず、概ね下馬評通りの力負けを喫し、小寺もGame中に負傷してしまうという泣きっ面に蜂の状態になってしまいました。
またリーグ戦では前節までは持ち味のディフェンス力を発揮して平均失点数はリーグ2位の少なさを誇っていたにも関わらず、天皇杯名古屋Dや前節島根としっかりしたオフェンス力を持つクラブ相手に3試合連続で90失点超となってしまい、ディフェンス面でもさらにブラッシュアップが求められる状況です。
オフェンスについてはトーマスとブースを中心に外国籍選手のスキルの高さでもって何とか繋げている状況が続いていて今後も負担をかけてしまう状況が続きそうですが、怪我だけは本当に避けたいところです。
明るい兆しとしては、日本人選手の切り込み隊長でもある澤邊が調子を取り戻しつつあるところ。あとはB1の強度レベルにまだ苦しんでいる岡田のアジャストが待たれます。同じように広島時代のB1昇格初年度にアジャストしきれず悔しい思いを味わっていた田中が近くにいるのは岡田にとっては心強いかも。
◯川崎ブレイブサンダース
出自は旧JBL、NBLの古豪にして強豪の東芝。昔からの日本バスケを知る者としては強硬にプロリーグ化に反対の立場をとってきたクラブの一つとして認識している人も少なくないでしょう。しかしJBAがFIBAからの制裁を食らったのちのタスクフォースには抗うことなくプロ化への歩み寄りを見せ、初年度からBリーグへ参入。以来誰が言ったか「BIG4」(A東京、宇都宮、千葉J、川崎)の一角としてBリーグをけん引しています。現在はオーナーが東芝からプロ野球の横浜ベイスターズも所有しているDeNAとなっており、横浜ベイスターズで培ったノウハウで様々な企画を打ち出している模様。
東芝といえば現在仙台89ersのレジェンドにして社長を務める志村氏が大学卒業後に最初に籍を置いたクラブだったのを忘れてはいけませんね。現在川崎のHCを務める佐藤氏も志村氏在籍時にはチームメイトの関係でした。志村氏もそのまま東芝へ在籍し続けることもできたのでしょうが、bjリーグ発足時に地元仙台に仙台89ersが参入するにあたり東芝を退社、ドラフトの末仙台89ersに凱旋することになったのは古くからの仙台89ersファン・ブースターなら周知のことですよね。
Bリーグ発足後は、「BIG4」の一角として強豪の名を恣にし、天皇杯は3季連続のファイナリストにして昨々季昨季と2連覇を達成するも、リーグ優勝にはいまだ届かず。3地区制が復活した今季は中地区優勝筆頭候補として目され、悲願のリーグ優勝に向けたシーズンになる・・・と思われたところ、まずは天皇杯第3ラウンドではB1同地区の横浜BCに痛恨の敗戦を喫し、天皇杯3連覇の野望は早くも潰えてしまいました。一方、リーグ戦のほうもどこか不安定な戦いぶりが続き、前節までで白星が何とか一つ先行する6勝5敗で現在は中地区3位とこちらも苦戦中。
メンバーの中心は何といってもファジーカス。来日以来東芝~川崎一筋でそのインサイドを支えると同時に、あの巨体にしては3Pも実に上手。現在は日本国籍を取得し、日本代表選手としても活躍しているのは周知のことでしょう。外国籍はヒース、ジャニングと得点力が高い選手に加え、長崎に移籍したアギラールの後釜としてヤングジュニアを獲得、その穴は埋められていそう。しかし、ジャニングが現在負傷離脱中でやや苦しいところ、前節はヒースも足を痛めた模様で今節の出場は微妙かも。
日本人選手としては昨季MVPの藤井、シューター篠山といった代表候補選手に加え、熊谷、増田、前田といった実力者やかつて仙台にも所属した鎌田も日本人ビッグマンとして健在と、前節対戦の島根に勝るとも劣らないロースターを誇ります。
◯今節の展望
まずは今節の相手も強豪の川崎ですが、仙台としては天皇杯から続く多量失点を断ち切るディフェンスを遂行したいところ。もっとも、多量失点を喫した3Gameも崩壊していたわけではなく、激しいプレスからターンオーバーを誘発するようなシーンも決して少なくはありませんでした。
しかしやはりB1クラブの攻守における強度・練度の差は意外と大きく、B2であれば止められていたであろう相手オフェンスも、仙台ディフェンスのちょっとした緩さをB1クラブは見逃してくれず、ズレを作り出しては少しの間合いでどんどんシュートをねじ込んでくるのはこの数Gameで肌で感じられたのではないでしょうか。藤田HCも「雑」という言葉で表現していた、ディフェンス時の「雑」さを少しでも解消していく必要がありそうです。
オフェンスのほうも得点力を上げようと手を入れ始めているのだとは思いますが、やはり一朝一夕にはオフェンス力が向上することはないのでしょうから、まずは確実にトーマスやブースといったところから得点を重ねていく形になるであろう一方、日本人選手、特にガード陣にオフェンス面での奮起が望まれるところ。また前節Game2では待望していた寒竹の3Pにあたりが戻り、澤邊の調子が上がりつつあるのは好材料でしょうか。
相手の川崎は上でも書いたように、外国籍選手2人を欠いたエントリーになる可能性もあります。しかし周りを固める日本人選手たちはいずれも実力者ぞろいですから、前節島根戦同様そこまで仙台のアドバンテージとはならない可能性も高いでしょうし、島根戦での安藤・津山よろしく藤井・篠山を自由に気持ちよくプレイさせるようでは前節の二の舞を踏むばかりになりましょう。またプレシーズンに非公開で川崎との練習試合を行っていましたが、その時はファジーカスにかなりやられたとも漏れ聞きますのでやはりファジーカスをどう止めるか。小寺が不在の中、どこまでバーレルが対峙しつづけられるかも大きなポイントになりましょう。
さて今節は1か月振りのHome Game、ゼビオアリーナでの対戦です。強豪クラブとの連戦で苦しい時期が続いていますが、ディフェンスという自分たちのストロングを愚直に前面に出して、オフェンスは勇気をもって攻め続けることができれば勝機が見えてくる場面が必ずあるはずです。これまでは見えた勝機もするっと手の中からこぼすことも多かったですが、今度こそはそこを逃さず勝利をつかみ取るべく、我々もダイキエンでもって選手たちの後押しをいたしましょう!
それではまた。
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