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仙台89ers:2023-24シーズン 第35節(4/27、28 Home Game vs 茨城 at ゼビアリーナ仙台)雑感

第35節のプレビューはこちら。


◯試合前トピック

・2023-24シーズンHome Game総入場者数12万人クリア

2026-27シーズンに発足するB-PREMIRE参入要件の一つである「入場者数平均4,000人以上(12万人以上:二次審査対象)」クリアに向けて様々な施策を打ってきた仙台89ersでしたが、前節北海道戦にて今節の2Gameを残して12万人超を達成。一つの区切りとなりました。今シーズン前の映画SLAM DANKの空前の大ヒットや日本代表のW杯での活躍とパリ五輪出場権の獲得などといった後押しがあったとはいえ、ここまで集めきったのはクラブの努力の賜物と言えましょう。

B-PREMIRE参入に当たっては平均入場者数以外にもクリアしないといけない要件がありますので、こちらは今季新オーナーとなった霞ケ関キャピタルさまとクラブとで何とかクリアを目指してほしいものです。

また今季は毎試合4,000人超の集客をしているものの、公開されることはないと思いますが有料入場者数がどのぐらいの割合だったかは気になるところ。ご招待で観戦した方が一人でも多くリピーターになってくれるよう、フロントにはさらなる魅力あるクラブづくりと、選手たちには激しく楽しく魅力あるGameを見せてくれる頑張りに期待しましょう。

・阿部真冴人、ユース育成特別枠選手活動期間終了

リリースの通りではありますが、ユース育成特別枠でHome Gameを中心にベンチ入りをしていた阿部真が前節をもって活動、帯同が終了。再び仙台89ersユースの選手として今後は活動を継続することになります。

今季は2Gameに出場し、そのうち千葉JとのGameではタイムアップ直前に3Pを沈めてみせる強心臓とスキルを披露、目下のところBリーグでの最年少得点者記録も樹立したのはお見事でした。

来季以降に再びユース枠指定があるかどうかはわかりませんが、いつの日か仙台89ersの主力選手として活躍してくれることを願ってやみません。

◯Game1(4/27 16:05 TO)仙台96茨城73

Game1のエントリーメンバー、スターターは以下の通り。

以下雑感。

・茨城は3×3日本代表候補で活動中のケネディは活動期間の合間でエントリーしたものの、得点源のメイは実弟がNFLドラフトにかかる兼ね合いで帰国中とのことで今節はおそらくエントリー外、そんな中でかえって奮起してきそうな茨城には少し警戒が必要か。
・Gameの立ち上がりはお互いに仙台は阿部、ブース、茨城はタプスコット、山口、ケネディといった主力たちがスコアリングを続けるとリードチェンジを繰り返す展開。
・仙台のほうがややシュート精度が悪いように思うが、1Qは21-21の同点と拮抗した形。
・2Qは立ち上がりから仙台のシュート精度がまだ上がらず、逆に茨城のほう山口のリムアタックなどを中心に一歩前に出る形で推移。一方仙台は頼みのエース阿部のタッチが今一つでなかなかシュートを決められない。
・OTO後もしばらくの間はリードチェンジを繰り返すが、1Qで茨城に警戒されて今一つ取り切れていなかったリバウンドも徐々に掴めるようになってくると徐々にモメンタムが仙台へ傾いてくる。
・2Q最終盤にここまでエース阿部同様少しタッチが合っていなかったブースの3Pがヒットすると茨城のオフェンスを阻んでは46-41と5点のリードを作って前半を終了。
・後半に入ると、先のAwayでの対戦同様、インサイドを制圧し始めると阿部のこのGame1本目の3Pをふくめて2分で7‐0のランを作って53-41と一気にリードを広げることに成功。
・その後も55-46としたところからタッチの戻った阿部、ハッスルプレイを見せるヤンのスコアなどで再び12-2のランでリードを一気に19点に広げてみせる。
・しかしここからがよくなく、仙台ハンドラーに対してダブルチームで激しいプレッシャーをかけてくる茨城ディフェンスに対応できずターンオーバーを連発してはスコアリングも停滞、茨城の追い上げを許すと72-60とリードを縮められて3Qが終了。
・3Qでの茨城のプレッシャーディフェンスに対応しきれていない様子に嫌な感じを持ちつつ入った4Qも、茨城がハンドラーへのプレッシャーを継続すると仙台はまだバタバタした形が続く。
・しかしここから仙台もようやく対応しだし、PGではなくトーマスのハンドリングによるプッシュを主体に組み立ててくると茨城のプレッシャーもかわせるようになり、そうなると茨城がダブルチームでプレッシャーにきている分できているスペースを有効に使って着々とスコアリング。
・ここ最近ハッスルプレイが目立つヤンが4Qでも躍動。3P、インサイドでのしぶといゴール、飛び込むオフェンスリバウンドなど実に目覚ましい。
・オフェンスに勢いが戻るとディフェンスもグッとギアが上がって、OTO直前で82-68となったたところから残り1分のところまでで14-0のビッグランを作って28点のリードを作ると勝負あり。最終的には96-73での快勝となった。

気になった選手:岡田
ここまで長く負傷のためエントリー外だった岡田が今Gameから再エントリー。まだまだコンディション的には戻り切ってないであろうところから、今Gameでほぼ勝負が決まった残り1分のところでコートイン。少ないミニッツではありましたし決めることはできませんでしたが、岡田らしいステップバックからの3Pを披露し、復活を待ち望んでいたファン・ブースターを喜ばせてくれました。残りGameも少ないですが、出場したあかつきにはまた得意の3PをSwishでバシバシ決めてほしいですね。

◯Game2(4/28 14:05 TO)仙台74茨城85

Game2のエントリーメンバーとスターターは以下の通り。

以下雑感。

・Game1では主力のメイ不在の茨城を寄せ付けず快勝し、Home Game15勝・勝率5割達成へ王手。何としてでも勝ってB1残留を引き寄せたい茨城の意地をGame2でもしっかりいなして上回れるか。
・茨城はここまで仙台の後手を踏むインサイドでジェイコブセンが奮闘、また他の選手もGame1の後半に見せた粘っこいディフェンスを見せると、仙台は2Pが1/10と全く決められない。3Pが4/6と精度が割とよくなんとかつないでいるものの、これまで茨城に対して優位を持っていた部分が封じられているのは大変気になる。
・2Qは立ち上がりからリードチェンジを繰り返す形で再び接戦の様相となってくるが、今Gameの仙台は課題のシュート精度があまりよくない。
・茨城は1Qである程度インサイドで対抗できたことを受け、今度は外主体のオフェンスに切り替えると、2Qで6/10と高確率で3Pを沈めてくる。前節の北海道戦をスカウティングしていたのか、前節北海道のGame2と似たような展開に。
・今季仙台は終盤戦に入って3Pが得意なチームへの対応がしきれないことが多く、みるみるビハインドを広げられるパターンが目立つが、今Gameもどうやらそのパターンに陥りつつある。
・一方1Qでは割と調子よさげだった仙台の3Pも、2Qになるとタッチが落ちて2/8ではリードが広がる一方。その2本は片岡がきめたもので、一人気を吐いていたが、前半で33-46と13点のビハインドを背負ってしまう。
・今季茨城にはAwayで最大19点ビハインドとされたことから逆転勝ちをしている実績があるので、13点ビハインドは逆転勝利に向けてぎりぎり許容範囲という感じはあるし、前節Game2では北海道に前半でつけられた14点のビハインドをしっかりまくってみせたので、まずは3Qでビハインドを2ポゼッション以内に縮められるかどうかというところ。
・後半になっても茨城の3P攻勢は止まらない。仙台も阿部の2本、小林の今Game3本目の3Pで追撃を図るがそれを上回り、5/10で決められるとビハインドは13点のままキープされてしまう。
・後がなくなりつつあった仙台は4Q開始から猛反撃。ギアを上げたディフェンスで茨城の得点を阻み続けると、およそ6分間茨城に得点を許さず12-0のビッグランを作ってついにビハインドを1点まで縮めると会場も大盛り上がり。
・前節に続く逆転勝利を予感させるも反撃もここまで、ここから先は茨城の意地と勝利への執念が上回る。ここというところでシュートを決め切れないという解消しきれなかった仙台の弱点がまろび出てしまったところはあるが、今Gameやや神がかったように山口のシュートが多少タフでもリムに吸い込まれていっては、再びビハインドが広がっていく。
・残り1分のところでゲルンが苦手なはずのFTを2本そろえてビハインドは6点差として望みをつないだか・・・と思ったところで仙台に気の緩みが出たか、直後にファストブレイクからジェイコブセンにダンクを叩き込まれて8点ビハインドとされたところでほぼ勝負あり。その後のファウルゲームで得たFTを茨城はしっかり決め切り、74-85でタイムアップ、残留を果たしたい茨城に貴重な勝利を献上しHome最終戦は悔しい敗戦で終了。

気になった選手:山口(茨城)
上の文中でも「神がかった」という表現をしましたが、この日の山口は茨城の日本人エースとして矜持を存分に示した形。少しの間合いでねじ込んでくる3P、その体躯を活かしたインサイドでのアタックでスコアを重ねると両チーム通じてGame Highの26得点、リバウンドもGame Highの12リバウンドでのダブルダブル達成は実にお見事でした。今節信州も1勝してGame差は変わらずの中、最終節は宇都宮との対戦で厳しい闘いになるのでしょうが、山口の活躍いかんが残留のカギを握ることになるかもしれません。

◯最後に

茨城に主力のメイが不在だったことでGame1を快勝したことから、2次目標となったHome15勝・勝率5割達成がかなり現実味を帯びたかなと思ったところ、はたして結果は逆に茨城のB1残留にかける意地と執念にしっかり押し切られた形。昨季は残留を決めたい仙台がAwayで茨城から貴重な1勝を挙げて連敗を止めましたが、その時のリベンジをされたとでも言えましょうか。

終盤になって、入りの悪かった前半をしっかり修正して最後はまくってみせるようなGrind!を体現するようなGameで勝利を掴むことも多くなっていましたが、いつもいつもそういう展開に持ち込めるわけもなく、Game2ではよくない時の仙台というか、負け方も仙台らしいかな、と思わないでもありませんでした。

では今節終了時点の主要チームスタッツを眺めてみましょう。

PPG:78.7→78.9
OPP・PPG:80.6→80.5
FG%:43.8%→43.8%
3FG%:32.8%→33.0%
eFG%:49.5%→49.6%
APG:20.7→20.9
RPG:40.9→40.9
OFFRTG:106.3→106.5
DEFRTG:108.9→108.7

今節は1勝1敗ではありましたが、全主要スタッツがわずかにアップ。ラスト2Gameを経てもこの数字が大きく変動することはなさそうですが、連勝で少しでも上げることができるでしょうか。

そして、今節仙台が1勝1敗、秋田が2勝、群馬が1勝1敗という結果を受けて秋田と3Game差、群馬と4Game差となりましたが、北海道とは9Game差あるために7位に転落することもなく仙台は東地区6位が確定。

Homeでの最終節でもあった今節も満員のまま大団円を迎えたところ、なんとなくファン・ブースターの間でも終戦ムードが漂っているようなところがあって、次節に臨む選手のマインドセットも大丈夫だろうかと少し心配なところはありますが、まだ今季最終節の群馬戦がAwayで残っています。今季東地区の2強には悔しくも全敗を喫していますが、それ以外からは今季は負け越しがありません。群馬戦もAway Gameではありますがしっかり2つ勝って勝ち越して終わりたいですね。

それではまた。


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