仙台89ers:2021-22シーズン プレイオフセミファイナル(5/13,14,16 Away Game vs香川 at 高松市香川総合体育館、高松市総合体育館)プレビュー
◯これまでの仙台
レギュラーシーズンの東地区2位とシード順3位を確保し初のHomeでのプレイオフに臨んだ仙台、相手はB2でずっと凌ぎを削りあってきた福島。
レギュラーシーズンとは違った雰囲気にやや気圧されたか、オフェンス面は3Pが湿りがちでやや物足りなくはあったものの、バーレル・メインセという仙台の誇るセンター2人を中心にインサイドを支配し、インテンシティ高いディフェンスをやりきり2勝1敗で勝ち抜け。
同じくQFを勝ち上がった香川が待ち構える、敵対高松でセミファイナルを闘うことになりました。
◯香川ファイブアローズ
中止・消滅試合に伴って各クラブの総試合数がまちまちになり、最終節まで1位〜3位が確定しなかった超混戦の西地区を制し、QFもガルシア擁する佐賀を一蹴してSFへ勝ち上がってきました。
以前の香川といえば驚異の得点力を誇るウッドベリーを中心とした攻撃的なスタイルでしたが、今季はブラントが加わったことでインサイドに一本スジが通り、ウッドベリー依存から脱却した攻守にバランスの取れたチームに仕上がっています。
売りである攻撃力は健在で、レギュラーシーズンは平均得点84.8点で3位。QFでも佐賀を相手に94点、105点を取っています。しかしながら攻撃力の高さを誇る一方、失点の方は意外と多く、平均で81.7点。得失点差も159とあまり多くはなく、点の取り合いを挑みながら接戦をものにして勝ち進んできたことがうかがえます。
◯セミファイナルの展望
前術の通り、ウッドベリーというスペシャルな個という切り札を持ちながらそこに依存することなく高い攻撃力を持つ香川ではありますが、仙台かつけ入る部分があるとしたら失点も多い、というところでしょうか。
しかし、点の取り合いに持ち込まれると仙台には分が悪いので、レギュラーシーズンで対戦した時には2試合平均では80点を取らせなかったように、仙台持ち前のインテンシティ高いディフェンスをやり切れるかどうかが重要になりそう。
その点、仙台はレギュラーシーズンの平均失点が70.3点と平均失点70.0点のFE名古屋とともに頭抜けたディフェンス力を誇っており、QFではレギュラーシーズン平均得点82.1点を誇っていた福島には74,72,57とその攻撃力は封じ込めていたり、レギュラーシーズンでも香川同様得点力の高い福岡、熊本などもロースコアに封じてみせるなどしていましたので、いつも通りのディフェンスができればそこは間違いないでしょう。
あとはオフェンス。QFでは福島のウォッシュバーンやEマーフィーを向こうに回し、インサイドを制圧してみせはしましたが、香川はセンターのブラントは実力者ですし、内外バランス良くプレイできるヴァーグ、そして絶対的エース・ウッドベリーなどがいるので福島ほどインサイドは支配できない可能性もあります。またQFでは3Pがすっかり湿ってしまっていたのでどこまで調子を戻すことができるかも大事なポイント。
最大の懸念としては、香川は先週の金土で早々に勝ち抜けを決めていたのに対し、仙台は土日月と激しい闘いを3Game繰り広げたのち、中3日での対戦となってしまうこと。QFではこまめな選手交代で選手たちの疲労度合いのマネジメントをはかってはいましたが、中5日空けることができた香川よりはやや不利な面は否めないでしょう。
しかし裏を返せば、前回勝利したイメージが薄れないまま次のGameに臨めるという点では、メンタル的な面、SFへのモチベーションとしては仙台の方が上かもしれません。それと仙台はプレイオフのシード順位こそ3位ではありますが、B2全体では香川を上回る2位でもありますので、その辺も自信を持てる要素になりましょう。
いずれにせよおそらく攻の香川、守の仙台というアングルのいわゆる「矛盾対決」として激戦必死なこのシリーズ、仙台としては完全Awayでの闘いではありますが、幸か不幸か香川のメインチームカラーも黄色で、黄色が埋め尽くすアリーナでのプレイができる分、視覚的なプレッシャーを感じることはないのかも。
悲願のB1まではあと2つ、B2優勝まではあと4つ。自分たちのやってきたことを信じてまずはこの高松で2つ勝って、次のステージへ進みましょう。現地で黄援できる方がいかほどおられるかはわかりませんが、高松へ向かうことが叶わなかったファン・ブースターもその強い想いを画面越しで、パブリックビューイングで、高松で闘う選手たちに届けることとしましょう!
そしてこう言うのです。
「長かったB2よ、Arrivederci!(アリーヴェデルチ)、さよならだ」と。
それではまた。
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