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仙台89ers:2023-24シーズン 第16節(1/6,7 Home Game vs 佐賀 at ゼビオアリーナ仙台)プレビュー


◯これまでの仙台

第15節のレビューはこちら。

千葉J、琉球との連戦をそれぞれ1勝1敗で乗り切り、昨季からの成長と違いを見せている仙台89ers。シーズン30勝ペースは何とかキープ、そして琉球戦ではGame1での完敗から久々にGame2に勝利するバウンスバックも達成、今後の闘いへの自信となりそうです。負傷者、コンディション不良者もまだ何人かいる中で、わずかな時間ではありましたが澤邊が前節Game1でコートイン、久しぶりにプレイする姿を見ることができました。澤邊にはこの先少しずつプレイタイムを増やして以前のような活躍を見せてほしいところ。またトーマスもそろそろ復帰してくる頃かと思いますが、負傷箇所が箇所だけに拙速は禁物、万全な状態での復帰が望まれます。渡辺は比較的軽症の模様でこちらもほどなく復帰の可能性はありますが、気になるのはこのところコンディション不良での欠場が続く岡田。昨季はブースとともに全Game出場の意外な鉄人ぶりも見せていましたので、状況が気がかりです。

◯佐賀バルーナーズ

現B1の中では長崎に次いで歴史の新しいクラブ。発足は2018年で、2019-20シーズンにB3に参入すると参入初年度でB3で優勝してB2へ昇格。2020-21シーズン、2021-22シーズンはB2で仙台ともしのぎを削りあってきました。仙台とはB2時代は3勝3敗。2022-23シーズンは佐賀よりさらに新興の長崎やA千葉の台頭がありましたが、B2プレイオフ決勝ではその長崎を破って堂々のB2優勝を飾り、今季のB1昇格となりました。また今季からは本拠地として沖縄アリーナや群馬のオープンハウスアリーナと並ぶ「夢のアリーナ」としてSAGAアリーナが供用を開始されています。行ってみたいアリーナの一つですが、今季は仙台Homeでの対戦、仙台と佐賀が同じカテゴリーにいることが前提ではありますが来季以降のお楽しみ、というところです。

主力は今季も変わらず「キューバの怪物」ガルシア。外国籍選手としては珍しいPGが主戦場ですが、自らプッシュしての得点力がありますし、長い手足を巧みに使ったディフェンスで実に厄介な選手です。また今季はかつてSR渋谷、福島などで活躍したハレルソンが帰化枠選手として加入したのは非常に大きく、外国籍オンザコート2ルールのBリーグにおいて、ガルシアを最大限に活かせる形になっています。外国籍では昨季から引き続きのフィーラー、今季新加入のチャイルズが脇を固めています。しかしこの2人は身長がそれぞれ203cm程度でハレルソンが208cmと最も上背があり、他のクラブの外国籍選手と比べてもややサイズ的に小さい感じでしょうか。日本人選手では地元佐賀出身、白鴎大出身で仙台片岡の後輩にあたる角田がチームを引っ張り、3P王に2年連続輝いたことがある狩野、これまで佐賀一筋の井上などがいますが、日本人選手は層が少し薄いかな、という感もあります。

◯今節の展望

B1昇格初年度を激戦の西地区で闘い、ここまで13勝13敗と仙台の一歩上を行く堂々たる成績。強豪ぞろいの同地区対決では4勝7敗とやや苦戦してはいますが、広島や島根からも勝利を挙げていますし、他地区対戦でもさすがに上位陣からは勝利をなかなかあげられていないものの、各地区の中~下位にいるクラブから着実に星を稼いでいる模様で、同じく東地区中位にいる仙台としても、油断のならない相手です。

ここまでのスタッツを眺めてみると、オフェンスではPPGが76.2、FG%が42.9%、OFFRTGが106.2でそれぞれ仙台より下回りますが、ポゼッションも仙台の74.9に対して71.7と少なめなのでPPGは少し低くなっている可能性はあります。RPGは37.4で仙台を下回り、ハレルソンこそいますが外国籍選手のサイズ的に少し苦戦していそう。またガルシアが攻守に八面六臂の活躍をする割にはチームAPGが17.0と意外に低いのですが、STPGは仙台とほぼ同等なので、これはガルシアが自ら得点しに行く場面が多いことがあるからかもしれません。ディフェンスのほうに目を向けるとOPP・PPGが75.7と低くリーグ6番目、DEFRTGが105.4でリーグ7番目と仙台を上回ります。得点があまり多くなくても、その分ディフェンスでしっかり守るというプレイスタイルであろうことがスタッツからもうかがえます。

得点が多くなくとも強固なディフェンスから勝機を見出す、という戦い方はどこかで見たことがあるような気がしますが、仙台としてはやはり佐賀のペースに合わせすぎないことが必要でしょう。これまで通りのトランジションの速い仙台のバスケットをしっかり遂行できるかどうかが肝要と思います。上でも記載していある通り、外国籍選手のサイズ的にはやや仙台のほうに分がありそうですが、ハレルソンをインサイドで封じ込めても、ブース同様3Pも得意な選手なのでそこは注意が必要。また最も重要なのは誰がガルシアとマッチアップするのか、ということ。おそらくは阿部が中心のマッチアップとなりそうではありますが、その分角田を青木や小林がしっかり抑えないといけません。また3Pを得意とする狩野も放っておくわけにはいきませんからそこも少し厄介。しっかり足を止めずに佐賀を上回るようなディフェンスのインテンシティが必要となりましょう。

昨季の仙台を彷彿とさせるような戦い方でしぶとく勝利を積み重ねている佐賀ですが、昨季仙台は茨城や群馬にB1で1シーズンを戦い抜いた「経験の差」を思い知らされました。今季長崎には1勝1敗としましたが、今節の佐賀にもやはり簡単に負けるわけにはいきません、ましてや仙台のHome Gameですしね。2024年最初のHome Gameの今節、再びアリーナ中を黄色に染め上げて選手たちの後押しをして、佐賀に「一日の長」をしっかり示してやろうじゃないですか。そして勝率5割復帰といければ最高ですね!

それではまた。

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