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マイナス心理にマイナス行動をとらない

今日のおすすめの一冊は、ひろさちや氏の『捨てちゃえ、捨てちゃえ』(PHP研究所)です。その中から『「負い目」を感じて生きる』という題でブログを書きました。

本書の中に「マイナス心理にマイナス行動をとらない」という心に響く文章がありました。

「マイナス心理にマイナス行動をとるな」。 そんなモットーを教わった。 

たとえば、タクシーに乗って、運転手の態度にむかっとすることがある。 腹が立つ。 それがマイナス心理である。 だからといって、こちらが乱暴な態度をとってはいけない。 「なんだ、その態度は!?」と声を荒げたり、バタンとドアを閉めるといったマイナス行動をとると、いつまでも不快な気分が残ってしまう。 

「そんな場合は、少し高めのチップを運転手にやって、“ありがとう”と言って降りる。相手は“おやっ?”といった顔をしますよ。そうすると、こちらの気分が爽快(そうかい)になります。それが、マイナス心理を消す秘訣ですよ」 

そんなふうに言われた。 早速、わたしも実践してみたが、なるほど効き目があった。 仏教の開祖の釈迦は、こんなふうに言っておられる。 

「悟りを開いた聖者も悟りを開いていない凡夫も、ともに第一の矢を受ける。しかし、凡夫はその第一の矢につづいて第二の矢を受けるが、聖者は第二の矢を受けない」 

人に足を踏まれたとき、「痛い!」と感じる。 あるいは、美しい花を見て「きれいだ!」と思う。 それが第一の矢である。 聖者にしても「痛い」「美しい」と思うのだ。 その点では、聖者と凡夫に変わりはない。 

しかし凡夫は、その第一の矢につづけて第二の矢を受ける。 「なぜ、俺の足を踏んだのだ。あやまれ!」と腹をたてつづけ、ときには仕返しを考えたりする。 それが第二の矢だ。 あるいは、美しい花をつんで、わが家に持ち帰ろうとする。 それも第二の矢だ。 

そして聖者は、凡夫と違って第二の矢を受けない。 マイナス心理にマイナス行動をとるな…ということは、釈迦の言われた第一の矢と第二の矢の教えと同じものだと思う。 

二人の若い禅僧の話がある。 あるとき、二人の若い禅僧が川を渡ろうと岸に来た時、一人の若い女性が向う岸に渡れなくて困っていた。 すると見かねた一人の禅僧が、さっさと女性を背負い、向う岸に渡って下ろし、何事もなかったようにまた歩き始めた。 

その一部始終を見ていたもう一人の禅僧が、「お前は修業中の身として、女性を背負ったりして恥ずかしくないのか」となじった。 すると、女性を助けた禅僧は、「お前はまだあの女性を背負っているのか」と答えたという。 

「放下著(ほうげしゃく)」という禅語がある。 こだわりを捨ててしまえ、放り投げろということだ。我々は、色々なものを後生大事に抱え込んでしまう。 まさに、第一の矢がそれだ。 マイナス心理がわき起こったとき、それにいつまでもこだわっていると、第二の矢というマイナス行動が生まれてしまう。 

「こだわり」「しがらみ」「嫉妬(しっと)」「妬(ねた)み」「恨(うら)み」「怒り」「憎しみ」などの感情を手放すこと。 

五日市剛氏は、その負の連鎖を断ち切るには、「ありがとう」と言うといいという。 マイナス心理にマイナス行動をとらない人でありたい。

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