「菅波光太朗物語~僕の母と父をみつめて、そして子への思い~『おかえりモネ』二次小説」
落葉樹の葉が色づき始める頃になると思い出す。星のような、てのひらみたいな形の黄色く染まった葉っぱを拾いながら、猫背で一人とぼとぼ歩いた帰り道のことを…。うつむいた僕の瞳からは涙がこぼれて、足元は蜃気楼のようにかすんだ。次の一歩を見失ってしまった僕は怖くなって立ちすくんだ。すべてを飲み込むように途方もなく続く暗闇の中、ぼんやり光る街灯の明かりを目印にして、涙を拭いながら、僕はまた自分の足でゆっくり歩き始めた。
《どこだろう 今痛んだのは 手を当ててから解らなくなる 名前のな