ここにいるよ「命の騒めき」菅波光太朗と犬井桃太郎物語《後編》(『おかえりモネ』二次小説)
★前編の続き
気仙沼市に到着し、タクシーに乗り換え、気仙沼大島大橋を渡って、百音さんの実家のある亀島へ向かった。百音さんの身体を気遣ったお母さんが少し前から実家に呼び寄せてくれていたのだ。寄り道したせいか日が暮れてしまっていた。東京の桜はとっくに散ってしまったけれど、気仙沼の桜はまだ咲き始めという感じでこれから見頃を迎えそうだった。
「会いたかったです、サヤカさん。初めまして、犬井くん。そしておかえりなさい、光太朗さん。」
「ただいま。」
百音さんが僕らを出迎えてくれた。