自然を感じて知る

自然環境リテラシー学Aコース 第1回 7月3・4日

こんにちは
生物資源学部共生環境学科1年のヒロノリです。
今回僕は第1回の自然環境リテラシー学のカヤック実習に行きました。
初めてのことばかりで不安なこと、楽しいこと、怖いこと色々なことを体験しました。
このnoteでそれらの体験、学びなどを伝えていけたらなと思っています。

1日目

前日、下宿先津は夜中大雨で雷も鳴っていて当日大丈夫かなと思っていました。しかし、当日は5時ごろ小雨になっていて、到着した8時頃の新桑ではすでに雨が上がって晴れていました。
当日僕は遅刻をしてしまい鬱々としていましたが新桑の晴れた空、きれいな空気、海を感じて心が慰められました。
先生に直接現地まで送ってもらい早く着いた僕は準備の手伝いで蚊取り線香の火付けとカヤック運びをさせてもらいました。タンデム(2人乗り用のカヤック)が肩が外れるんじゃないかってくらい重かったです。

全員が集合した後はまず「ロッジさらくわ」のある町、新桑竈について知るところから始まりました。

まずは塩釜を見学させてもらいました。近くの海で取ってきた海水を煮込んで塩を作っているらしいです。そこでいただいた塩は市販のものより美味しく感じました。

その後は資料館で新桑竈についての歴史と文化、生活について教えていただきました。自分も新桑竈と同じ山に囲まれた田舎出身だったので、過疎化が進んでいること、野生動物に困ることなど共感できる話が多かったです。また新桑竈では町を練り歩いたあと弓を標的に当てる祭があるのですがその写真の凄く綺麗な姿勢で強く弓を引いている人がかっこいいと思いました。

(塩釜、室内はめちゃくちゃ蒸し暑い)


(出来上がった塩、かなりうまい)

(弓を引いている人の後ろにヤンチャそうな子ども達がいる)


ミーティングの後にカヤックに乗るための準備の説明を学生スタッフの方にしていただきました。
まずはカヤックの装備のPFDスプレースカートの付け方を教えていただきました。

スプレースカートは腰に装着して座席を覆うことで水が入ることを防いでくれるものです。

PFDの呼び方は皆さんにはライフジャケットの方が聞き馴染みがあるかも知れません。チャックを締めて胸元のベルトをしっかり閉じて使わなくてはなりません。

その後カヤックのハッチがしっかり閉じられているかの確認とペダルの位置の調整を行いました。

ハッチがしっかり閉じられていないと、中に水が入って荷物がビシャビシャになったり重心が不安定になるため確認は必須です。

ペダルは足が伸びきらないところで足に当たるくらいがちょうどいいです。ペダルの調整がうまくいかないままでも最悪カヤックは漕げますが、調整していた方が効率が良いのは確かです。

水着や帽子、PFD、スプレースカートをつけ、ハッチの確認とペダルの調整が済めばいよいよ出艇です。
出艇する前に僕は、どこかにぶつかるんじゃないかなとか早速転覆したらどうしようだとかすごく不安でした。
出艇は、
1.座席の上にまたがって座席に座る
2.座席から足を出したままある程度進む
3.安定したなと判断したら足をしまってスプレースカートをつける
という手順で行われます。
幸いそれらの手順をしっかり守って無事出艇が済んだのでホッとしました。
しかしスプレースカートが中々固くて座席を覆うときに周りの人に手伝ってもらいました。グループで行う安心感が味わえました。

全員の出艇が済んだ後は、少し漕ぐ練習をした後にグループ行動で大事な声かけ、サイン隊列について学びました。

カヤックは意外と距離を取って行動するので、指示しても反応がないと伝わったのかどうかわかりません。なので、大きな声で返事をする、声が伝わりにくいほど遠い距離なら体を使ったサインで意思表示をするのが大事です。
僕は結構声出しは頑張れたと思っています。カヤックから上がって少しの間は声がしゃがれていました。

隊列はイカダ3人隊列について学びました。

イカダは大波に対抗するために複数のカヤックで同じ向きに並んで横に固まる隊列です。
船が通った後に来る波に垂直に構えることで波の影響を受ける面積を小さくします。
その際複数のカヤックで並ぶことで波に対して安定させやすくなります。

3人隊列は横に3人班を作って行動する隊列です。波が来たときは班員同士で3人のイカダを作って対応します。
先頭のリーダーからの指示を後ろの班に伝えてコミュニケーションが取れるようにすることが大事です。

3人隊列少し沖に出て2日目に行く座佐浜を見て1日目は帰りました。
沖に出て行くと太平洋からの波が強くなってきて少し怖かったです。
水が沢よりも暖かく暖流の黒潮の影響を沢だと受けにくいため水温差があるのかなと思いました。

1日目、僕は正直景色を楽しむ余裕などはありませんでした。
ただ漕ぎ進むにつれて高くなってくる波や、潮の流れで真っ直ぐに漕ぐのが難しいこと沢と沖の水温差など身をもって感じられることも多くありました。
また精神的にも肉体的にも非常に疲れました。
僕が全身を使って力一杯漕いでいるつもりでももっと速く漕いでいく人ばかりだったため焦りました。また最後の方は持病の腰痛が酷くなり地獄でした。

うまい漕ぎ方としては
・漕ぐときにペダルを踏み壊すくらいに踏み切る
隣の人に背中が見えるくらい体を回す
スプレースカートに水がたまらないよう漕ぐ
というのを意識した方がいいということを教えてもらいました。

それらを意識して2日目は楽に速く漕げるようになりたいと思いながらその日は寝ました。

2日目

朝(5時半)に起きたらすごいでした。
空気がひんやりして気持ちよく、眺めもきれいで感動しましたが、この濃い霧の中漕いでいくのかなと不安に思っていました。

(早朝の濃い霧、当時の僕には幻想的に感じれた。)

幸いこの霧は出艇の8時半には晴れてくれて安心して漕いで行くことができました。

目的地の座佐浜まで漕いで行きました。
やはり沖にまで行くと太平洋からの波がすごく強かったです。真っ直ぐ漕ごうとしても難しくなりました。
僕は学生スタッフの方から酔い止めをいただいていたのでなんとか酔いませんでしたが、酔っている人もいました。
また持病の腰痛が悪化してかなりしんどかったです。途中で腰の痛くならない楽な漕ぎ方を学生スタッフの方から教えていただきました。楽に漕げるようになって頼れる人のいる有り難さを実感しました。

(座佐浜に到着したAグループ)

座佐浜は複雑なリアス式の海岸に土砂が堆積してできた砂浜であり、それらの土砂で海から切り離されてできた海跡湖座佐池があります。
座佐池には世界的に珍しいハマナツメが自生しているらしいです。

(僕たちの後ろの黄緑の低木がハマゴウ)

座佐浜では潮風と水持ちの悪い砂浜のせいか植生が貧弱でマツハマゴウがほとんどです。
マツは葉がビタミンCが豊富で飢えそうなときはそれで凌げる、
ハマゴウは葉がお茶にできて、私たちの漕いだ時期(7月上旬)が一番うまいという話を柴田さんに聞きました。
それほどの知識があれば僕とはまるで見えてる世界が違う、無人島でも生きていけそうだなと感じました。
その場で淹れていただいたハマゴウ茶はハーブティのような香りがし、お茶特有の飲んだ後の甘みがしました。香りも味も強烈自然のものの強さ、濃さを感じました。

(持ち帰った葉で作ったハマゴウ茶
座佐浜での茶の方が圧倒的に風味が強かった。
天然の採れたてはやはり違う。)

座佐から帰った後は昨日のとおりの片付けをしてミーティングをして帰りました。
うまい漕ぎ方は帰りにようやく出来るようになってきました。中々奥が深いなと感じました。

第一回を通して

自然を身をもって感じられ、それにより自然に対する興味関心がより増したと思います。

事前に天気、風速、風向、塩の満潮干潮などについて調べて、実際に漕いでみた後に、当日の微妙に異なった気象をまた記録することで、自然の予測しきれなさと、何℃、何ミリの雨などの数値としての自然は実際にはどれほどのものかというのを知れました。

またリアス式海岸や海跡湖のような湖があることは、地理で習ってはいましたが、それを目にして見ることで今までに習ってきた知識が実感できたことに感動しました。

そして沢と沖の水温差などの理由について考えてみたり、波の動きを読んで楽に進めるように工夫するなど自然への思考力を働かせるような刺激を受けることができました。

2日間通して未知や自然への恐れと楽しさを感じることができて楽しかったです。
しかし、次はもう少し自然環境リテラシー学に向いた身体を作っていこうと考えました。

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