あなた

「もし自分の余命があと1週間だったなら」

誰でも1度は話題に上がった事があるであろう定番の「if」の世界。

「もし自分の余命があと1週間だったなら、誰に会いたくなりますか?」

僕は自分自身の答えが分からなかった。

普段会いたくても会わない人がいる。

親や友人 いつでも会えるから、わざわざ今日じゃなくてもいいや。
明日も仕事だし空いている休日に会いに行けばいいや。

本当にお互いの人生に「明日」が約束されているかなんて分からないのに、僕は会わない選択を繰り返す。

普段会いたくても会えない人がいる。

遠くにいる知り合いや もう会う事の無くなってしまった好きだった人
会いに行くのに時間もお金もかかるから。
会っても相手に今後どう思われるか分からないから。

僕は来るかも分からない「明後日」の為に今の自分の感情を犠牲にする。

今すぐ会わないともう二度と会えなくなる。
ドラマや漫画の世界なら僕らが予想できる切ない未来も、いざ舞台の中に入ってしまえば まさか自分がそんな立場に立たされるなんて考えなくなる。
だから僕は今日も会いたい人に会わずに、自分の寿命の1日を消費する。

もし最初から1週間とリミットが分かっていれば、僕はきっと今まで無意識の内に作っていた会わない理由を全て消し去り、会いたい人に会いに行く気がしていた。
でも僕は、肝心の会いたい人が誰なのか分からなった。
会えるなら会いたい って人は沢山いるのに、
真っ先に思い浮かんだ あの人の顔が分からない。

きっと自分に嘘を吐き過ぎたから、何かに怖がって自分の感情を犠牲にし過ぎたから、僕の心は今更 誰に会いたいかなんて教えてくれない。

明日町を歩いている時 急に目の前に不思議な恰好の人が現れて、
「あなたの余命はあと1週間。次の木曜日が来た時が命日です。」と疑いようの無い形で余命宣告されたら、

僕は、誰に会いたくなるんだろう。

僕にもう1歩 会いたい人に近づく勇気があったなら、そんな「もしも」を考えながら少し寂しくなった平日の昼過ぎ。

僕が会いたい誰かをちゃんと見つけるまで、僕はこの生にしがみついていなければいけない。

早く会いたいあの人の事を思い出せたらいいな。


スクロールする手を一度止めて目を閉じ同じように考えて、今これを読んでいるあなたには誰の顔が浮かびましたか?

1週間もあるんです。1人じゃなくてもいい。当時仲の良かった友人グループ皆で集まりたい と思えば、会う機会を設ける事だって難しくはないだろう。

相手が存命なら大体の人には案外会えるんじゃないかと思う。

周りの為に我慢出来る事も立派な事だけれど、もう少し自分に対して素直にならないと、いつか会いたい人の顔が分からなくなってしまいます。
たまには今のあなたの為に、未来のあなたに我慢してもらっても許してくれると思います。

明日の夜にでも、会いたい誰かに会ってみてはどうでしょうか?

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