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中国語の短編を読む会(2023年12月22日)

毎週金曜日の夜に行っている、中国語の短編を読む会(中国語中上級者向け)のレポートです。
 中国語の短編小説を、中国語を学んでいる日本語母語話者と日本語を学んでいる中国語母語話者が共に読み、和訳する過程を通じて、言葉を介した理解と交流の魅力をお伝えします。
 テキストは”一路风景 升级版”
本日は”去哈纳斯湖的路(ハナス湖への道)”の4回目です。

今日はいつものメンバーの他にベッキーさんが参加(母語:韓国語)
いつもの読書会の後に、Noteでこの中国語の短編を読む会を公開することの相談をしました。

       爸爸开始故意磨蹭起来,他先削下一块瓜皮,把西瓜擦得锃亮锃亮 的,还左看右瞧地自我欣赏,急得小菁直跺脚:“快点,快点,云要飘走了!”
云扭了扭身子,于是飘来一阵凉快的风,风里也有一个声音:“要飘走了!要飘走了!”
 
Mikaさん
お父さんはわざとぐずぐずしはじめて(時間稼ぎをしはじめて)、まず先にスイカの皮を一切れ削り(ぞうきん代わりにして磨く手法、昔のおじさんがよく使っていた。今はきれいに洗って冷蔵庫にいれる。今も畑の中で農家さんはやっているかも)、スイカをピカピカになるまでこすり、あっちからこっちから見て悦に入って(自画自賛)、待ちきれなくなったジンちゃんはしきりに足をバタバタさせて、”早くして、早くして、雲が行っちゃうよ。”雲は身をよじって、それで涼しい風がやってきて、風の中から声がした。”行っちゃうぞ!行っちゃうぞ!”(雲が自分で言っているセリフ)

爸爸这才着急起来,他一个拳头就砸开瓜来,捧起一块就啃,小菁 望望爸爸,一脸的西瓜汁,爸爸望望小菁,衣领上也流着粉红色的抽象画。
ベッキーさん
ようやくお父さんは焦りだし、スイカをたたき割って、一切れ拾ってかぶりついた。ジンちゃんがお父さんを見ると、顔にはスイカの汁だらけ、お父さんもジンちゃんを見たら、襟にはピンク色の抽象画が広がっていた。
捧起: 両手でつかむ様子

他们一齐望望云,没吃到西瓜的云阴下了脸,还忍不住掉了几滴泪,爸爸好没同情心,他边吃边喊:“好啊好啊!”气得云彩又扭了扭身子,风里传来一个警告:“跑啦跑啦!”见爸爸没反应,云真的往前飘了一程,正好就把爸爸扔在火辣辣的大太阳底下。
YOKO
ジンちゃんとお父さんは同時に雲を見て、スイカを食べていない雲は顔を曇らせて、思わず涙をこぼしてしまった。お父さんはちょっとも同情なんかしないで、食べながら叫んだ。!うめぇなぁ。うめぇなぁ!」(好啊好啊 好吃好吃の意味。)
怒った雲はまたくるりと身をよじって、風の中から警告が聞こえてきた。
「行っちゃうぞ、行っちゃうぞ!」
お父さんが反応しないのを見て、雲は本当に前のほうにちょっと動いて、その結果お父さんは灼熱の太陽の下に置きざりにされた。

        爸爸赶忙跳进云底下来:“哎,云呀,等等我!等我吃完这块西瓜!” 
        云一点也不耍赖皮,一直等到爸爸丢了最后一块瓜皮,小菁拍拍鼓鼓的肚皮,他俩钻进了车,云才开始飘起来。

フミさん
お父さんは急いで雲の陰に入って言った。”おい、雲。待ってくれ。このスイカを食べ終わるまで待ってくれよ。”
雲はちっともズルしないで、お父さんが最後の一切れを食べてその皮を捨てて、ジンちゃんはパンパンになったお腹をたたくまでずっと待っていてくれて、二人が車の中に入って雲はやっと動き出した。
拍拍(たたく)鼓鼓(パンパン)的
最後の一切れを食べてその皮を捨てるまで

       这一次云飘得可快了,它把爸爸和小菁甩下了几个山头,他们只能 眯起眼,看到很远很远的前方天空,有一条细细的白丝线。“等我们追 上它的时候,又可以吃西瓜了!”爸爸说,他和小菁又都听到车后备厢的 西瓜跳了。
杨さん
今回は雲が爆走し、あっという間にお父さんとジンちゃんを置き去りにして 3つ4つ先の丘まで行ってしまった。二人は目を細めて遥先の空の中を探したが、一筋の細く白い糸が見えるだけだった。「私たちが雲に追いついたら、またスイカが食べられるぞ」とお父さんが言った。そして彼とジンちゃんはまた車のトランクでスイカが跳び上がるのが聞こえた。
爆走、爆食、爆買い
丝: 丈夫な糸の種類、絹糸(きぬいと)


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