見出し画像

あのロンドンも、曇天だったと思う。

何しろ10年経っている。
大学院の卒業間近。学割が使える貴重な期間に、海外で芝居が見たい!自分の趣味としてはニューヨークより、ロンドンかなぁとか勝手に夢想して、でもバイトもそこそこに修士論文執筆と稽古で年を明かしたばかりで資金もなく、親に頭を下げて意を決してロンドンに観劇旅行に行こうと決めた。

英語がそんなに得意ではないので、正直不安が無かったわけではないが、明らかにワクワクが勝っていた。あのロンドンで芝居が見れる!ハリーが歩いた、あのキングスクロス駅を俺も歩ける!あわよくばホグワーツ特急に乗れるかもしれない。
(僕はハリーポッターシリーズの大ファンなのです 笑)  

昔から世界中を食べ歩いてみたいと思ってもいたので、現地の食にも触れられるのも嬉しかった。イギリスのメシは不味いとよく聞くけど、ただ〝不味い〟じゃわからん!ハリーポッターに出てきたあの料理もこの料理も、それだけじゃない大英博物館、トラファルガー広場、テムズ川、ロンドンアイ。それに文献に出てくる、数多の歴史ある劇場!
総日程1週間の貧乏旅行だったけど、予定と無茶な計画はパンパンで、とにかく目に写ること全てが刺激的で、興奮しっぱなしだったことを覚えている。

最近、『LAフード・ダイアリー』と言う本をよんで、また例年よりかなり早い梅雨の曇天を眺めて、
あの10年前のロンドン一人旅のことをふと思い出した。

これから何回か、現地で食べたご飯を思い出しながら、改めて10年前を思い返してみようと思う。
いろんな記憶が曖昧だから、のんびりと眺めていてほしい。

ひろむ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?