『短歌人』2019年4月号掲載五首

人ひとりひきずるときに重さありたすけるときもかくすときにも

小やまひとつへだてしまちに降るゆきはけしきを変へる冬のマジック

霧のなかたどりつきたりどうくつに紫水晶かべをうづめる

雪のない高原を吹くきたかぜはねつをうばひてコートをとほす

やまおくにうんうんぎいとひびきたり風に吹かれて青竹は泣く