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『短歌人』2021年04月号掲載五首

冬空のペテルギウスの赤さほど冷めてしまひし短歌の熱量

千年余ゆるくながるる歌の川その行くところわれは歩みつ

珈琲を日に六、七杯ながしこみ今にもねむる五臓をたたく

左からレバーブローを叩き込む一瞬前のフェイントの妙

渋柿のやうな頑固さ溶かすすべきつとどこかにあるさんぽみち