『短歌人』2018年10月号掲載五首

七月に蝉の音きこゆ北国の土の中まで早まる季節

山梔子を好きてふ吾子の顔うかび道の駅にて鉢植ゑを買ふ

山梔子の葉はみつしりと緑いろ炎天下でも根付いてほしい

停電に窓から見える夕明かり やがて宵闇こころぼそかり

雨を待つこころに響く雷鳴はしだいに遠くなりにけるかも