『短歌人』2017年6月号掲載五首

枕する腕に体の温みを感じ猫の寝息は深くなりゆく

五百円ワインのキャップを集めゐるわれは首狩り族の末裔

浪人を決めた春よりなほ暗し里は光のみちのく弥生

目を離す隙に雀の姿失せ静まり返る弥生の庭は

すぐそこにメジロのお宿のありぬるをこれ迄全く知らずに暮らす