『短歌人』2019年12月号掲載五首

秋の日の部屋にタンゴのリズム聴く咲きのこるヒマワリの饗宴

きらきらとエノコログサの穂の先は秋のながめをしづかにゆれる

はなみずき街路樹紅く染めはじめ夕焼けも濃くなりゆく景色

火にかけてトイレに行ってゐるあひだ叫びはじめる笛吹きケトル

突然に秋はきにけり暮れかかる雲間に椋の翔ぶ影みれば