『短歌人』2019年8月号掲載五首

窓をぬけさしこむ木星のひかり眺めるうちに朝になりたり

鳥たちの声を聴き分けあさぎりの沼のむかうへ歩いていきぬ

ギブアップしたとき景色はひるがへりしろつめくさのはなのこうずい

にわにさくスズランのむれすがすがし ちひさくなりてのぞきこむわれ

たいりくのつめたいかぜはさつきばれだびにふされしけむりをはこぶ