『短歌人』2020年8月号掲載五首

カッコウが来たら夏です日めくりにさう書いてあるけふの一枚

五月こそひな祭りなり鳥たちの雛を育てる違ひのをかし

枝先をナイフで削る褐色の樹皮の下には緑のいのち

けさ庭でツピツピツピと懐かしい声が元気にしてゐると告ぐ

日が暮れて白爪草の白だけが浮かぶ庭には夏かぜのおと