『短歌人』2020年3月号掲載五首

待ち合はせ半時間まへに来てしまひ掃除の人の邪魔になりたり

朝までにシーツはよれてよれよれのこころで何度寝返りしたか

白菜をキャベツの代はり食感のしやりしやりとなり冬の焼きそば

霜つつむしろき河原のひろがりは静けさ深く迷ひこむ岸

なぜかしら欅の枝の先までも光をつけて祝ふ冬の日