『短歌人』2020年11月号掲載五首

行く夏を追ひかけていくキアゲハは卵うみつけ羽ふるはせる

頭上には空一面が灰色の湿りし朝に子ども泣く声

腐葉土の入つてゐない土もある山野草用土といふなり

おほははの十三回忌あつまれる伽藍のしたをクロアゲハ舞ふ

報告書つくりあげたるこころ晴れいかやうにでも歌はわきいづ