『短歌人』2017年4月号掲載五首

ジョウビタキ来たよと呼ばれ窓の外真白き霜の一月の庭

奥の間の古い箪笥を開けたとき微かな匂ひを覚えておいて

雪解けの道を駆けゆく自動車はタイヤに虹の飛沫をまとふ

猫に声掛けやうとして言葉より咳がじやまする風邪引き四日

吾が中に一揃ひある白骨の現れるとき来るを思ひぬ