『短歌人』2020年4月号掲載五首

ロウバイが真つ先に咲くわが庭のうす透明な希望のかたち

極寒の地に身を沈め一年を耐へにしことの大切な繭

褒められることはなかりし長文の別れの手紙の愛の総量

あさまだき駅 駐車場に入らんと生涯初の逆走したり

お下げ髪とめる最後の黒輪ゴム濡れたやうなるシリコンの艶