『短歌人』2017年7月号掲載五首

一日をうつらうつらと過ごしたりチューリツプ散る春の盛りに

ヴアイオリン弾く気も起きぬ部屋に籠り酒香の名残りの消えゆくからだ

荒風の花咲く庭を庇ひたりチューリツプ一輪生け贄にして

雛げしの若芽はびこる庭に出て去年の春を思ひ出したり

あそこにもあそこにもほら山桜隠るるものの美しさあり

  

  (そっと黙って添削頂きました。小池光先生、有難う御座いました。)