『短歌人』2019年7月号掲載五首

ながくつはもえるごみだとおしへられもえゆくもののにほひうかびぬ

はるのゆきえだを折りたりさきそめしおもひのたけがひらかぬうちに

水鏡こぶしのはなをうつしてはさざなみゆれて風走るみゆ

聴こえない声にしたがひかはぞひにさかだちのまま旅をする人

しるされしさよならの刻せまりたり花のちりたる庭にむかひて