『短歌人』2018年6月号掲載五首

チューリップ一斉に芽を突き出しぬ秋に埋めし歌壇の土に

鶯のまだまだ上手く啼けぬ午後ヴァイオリンの音も拙く響く

夕つ方ついついついと声きこえ風あたたかく頬かすめたり

鶯は何を食べるのいくらでもあなたの好きなものを上げるわ

きみどりにライラックの芽の綻びぬ雪の彼岸の後の春雨