『短歌人』2018年7月号掲載五首

和風てふドライカレーを昼に食み祖国の意味を思はされたり

現場から逃げ出す姿のなまなまし薄暗がりに寝汗をかきて

満開のミモザの枝に朝日さす天上的にほほゑむ卯月

ギボウシの雨上がりの葉の水滴に生まれたばかりの黄みどりは映ゆ

ボサノバの半音階は哀しかり四月末日職場へ向かふ