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家族への「愛してる」は声にして、ギュッとして、やっと伝わる気持ちだった

今でも忘れられないショックな出来事がある。それは、娘が幼稚園の年長さんの頃。

ふざけて道で転んで、泣いてぐずってなかなか立ち上がろうとしない娘に私は「早く立ちなさい」と叱ってしまった。

私は当時、ダウン症で知的障害があり、多動傾向のあった息子の子育てに正直、精一杯で全く余裕がなかった。じっとしていない息子を抱きかかえながら娘を抱き上げることはできず、思わず口から出た言葉が「早く立ちなさい」

泣きながらやっと立ち上がった娘の口から出た言葉 は衝撃的だった。

「ママは奈美ちゃんのことが嫌いでしょ?奈美ちゃんなんかいらないんでしょ?」


え?なぜそんなことを言うの?

私はこんなにも奈美ちゃんのことが好きなのに、嫌い?いらない?

嘘でしょ!!!


娘に聞いてみた。なぜそんなふうに思ったのか。

「ママは良太が転んだら大丈夫?って優しく言うけど、私にはいつも早く立ちなさい!って怒るから」

言われて初めて気がついた。確かに私はそうだった。ただ、娘も息子も大好き、愛してるが大前提。余裕のなかった私は、お姉ちゃんの奈美ちゃんにはしっかりしてほしい、その思いが強かった。

でも、それは私の都合のいい押し付けで、娘はただただずっと寂しい思いをしていたんだ。そう気づいた私は申し訳なくて悲しくて。母親失格だと本当に落ち込みました。

「そんなわけない!ママは奈美ちゃんのことが大好きだよ」

とっさに出た私の言葉だったが、同時に、言葉が軽すぎて上滑りしているのも感じたし、伝わっていないこともすぐにわかった。

何をどうやって伝えたらいいんだろう。そんなの伝わっていて当たり前。今まで気づかず、考えたこともなかった私には答えが見つかりませんでした。

でも娘に伝えたい。

「ママは奈美ちゃんのことが大好き」


この気持ちだけは伝えたかった。


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たどり着いたのは3つのこと。

毎日、褒めること。

毎日、大好きだよと伝えること。

毎日、ギュッと抱きしめること。


要するに、気づいてもらないなら、気づくように態度で示そう作戦。

考えてもわからない、だからとりあえず行動から!という、私が得意とする動物的な直感から生まれた答えなのだ。

最初はお互いに照れくさくてぎこちなかったけど、こんなの慣れたらチョチョイのチョイ!あっという間にアメリカ人を余裕で超えるくらいに自然と当たり前にできるように。

暫くするとこんな変化も。

奈美は良太に同じことをする様になっていた。

良太、すごいよ!偉いね!

良太、大好きだよ!


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あの時、娘に気づかせてもらった。

大好きや愛してる、大切なんだという気持ちは親子だから家族だから伝わっている。そんなの当たり前じゃないということを。だからちゃんと声に出して、抱きしめて、ちゃんと形にして伝えなきゃいけないんだということを。

そして、

優しくされた人は、人に優しくできる。

褒められた人は、人を褒めることができる。


ということを。

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家族なんだからとか、言わなくてもわかるとかじゃなくて。大切な家族だからこそ、大切な気持ちをちゃんと伝えなくちゃいけない。

だからこれからも、大好きなキミたちに想いを伝え続けてていこうと思う。





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